「太陽系の未来」を映し出した天体?「伴星を持つ白色矮星」が史上初めて観測される

space 2019/12/06
Credit: ESO/M. Kornmesser
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  • 地球から1500光年の場所にて、白色矮星の周囲を公転する太陽系外惑星が発見される
  • 伴星を持つ白色矮星の発見は今回が初めてで、この連星システムは「太陽系の未来」と言われる

太陽に残された寿命は、あと50億年ほどです。途方もなく先のことですが、それでも終わりはやって来ます。

寿命が尽きたあと、太陽や地球はどのような運命をたどるのでしょうか。

そんな太陽系の未来を体現するような天体が、このほど、イギリス・ウォーリック大学により発見されました。

天体は、かに座の方角に約1500光年離れた場所にある「白色矮星の周りを公転する巨大惑星」。

伴星を従える白色矮星が観測されたのは今回が初めてとのことですが、これが一体なぜ「太陽系の未来」と言われるのでしょうか。

研究の詳細は、12月4日付けで「Nature」に掲載されています。

Accretion of a giant planet onto a white dwarf star
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1789-8

惑星の大気を吸い取っていた

観測には、チリ・アタカマ砂漠に建設された「超大型望遠鏡VLT」が使用されました。およそ7000個の白色矮星を観測する中で、他とは様子が違う奇妙な星が見つかっています。

その白色矮星は、ガスやチリが溜まって作られる降着円盤を持っており、その中に水素、酸素、硫黄が、従来の白色矮星には見られないほどの量で発見されたのです。

研究主任のボリス・ゲンシック氏は「これらの元素は白色矮星のものではなく、他の何らかの天体から来ている」と予測しました。その予測通り、白色矮星を10日周期で公転する海王星のような惑星が発見されています。

Credit:University of Warwick/Mark Garlick

この惑星は、降着円盤に隠れていたため、発見に数週間が費やされたそうです。

詳しい分析の結果、白色矮星の表面温度は、摂氏2万8000度(太陽表面のおよそ5倍)で、超高温の熱放射を発していることが分かりました。

その熱放射により、近くを公転する惑星の表面大気が蒸発しています。大気のほとんどは宇宙空間に散っていたものの、その内のいくらかは白色矮星の重力により、1秒間に3000トンの割合で吸引されていました。

これが降着円盤の正体です。

なぜ「太陽系の未来」と言われるのか?

Credit:Mark Garlick

さて、気になる「太陽系の未来」との類似について、ゲンシック氏は次のように説明します。

まず、太陽のような恒星は、中心核にある水素を燃料とし、一生かけて燃焼していきます。水素燃料が尽きると、恒星は赤色巨星へと移行し、近くの惑星を吸収して、元の数百倍の大きさにまで膨れ上がります。

太陽系の場合だと、あと50億年ほどで太陽は赤色巨星へと変わり、水星や金星、そして地球まで飲み込んでしまうでしょう。下は、太陽が赤色巨星になる様子をイメージした40秒ほどの動画です。

その後赤色巨星も時間をかけて表面大気を失っていき、結果的に、あとに残るのは高密度の中心核だけとなります。これが白色矮星です。

理論的には白色矮星も伴星を従えられると考えられていましたが、実際に観測されたのは今回が初めてのこと。

つまり、遠い未来に白色矮星となった太陽も、周囲に残った惑星を従えて、大気を吸い取っていくと予想されるのです。その時、人類はすでに太陽系から脱出しているのでしょうか。それとも、宇宙から姿を消しているのでしょうか。

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reference: phys.org/livescience / written by くらのすけ
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