創造的なアイデアを生み出すには「2番目の選択肢」を選ぶべき

psychology 2019/12/17
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point
  • 実験により、自分の中で2番目に良いと思えるアイデアをが他の人からは最も高い評価を得ることが分かった
  • 人は具体性を重視する傾向があるため、最初の段階で最良だと思えるアイデアは独創性に欠ける
  • 創作時間が少ない時は具体性を重視し、創作時間が多い時は抽象性を重視することが最良の成果を出すためのポイントとなる

世のクリエイターたちは常に、「どのアイデアが一番優れているのか」という疑問と戦い続けています。アイデアのすべてを作業に移すことはできません。客観的に考え、「評価される独創的なアイデア」を選ばなければいけないのです。

この点で、スタンフォード大学ビジネス大学院経営大学助教ジャスティン・M・バーグ氏が有用な実験結果を提出しました。クリエイターたちが提案してくるアイデアの中で、最も評価されるのは、「クリエイターが1番良いと感じたアイデアではなく、2番目に良いと感じたアイデア」なのだそうです。

研究の詳細は、「Organizational Behavior and Human Decision Processes」に掲載されました。

When Silver is Gold: Forecasting the Potential Creativity of Initial Ideas
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0749597818308124?via%3Dihub

独創性評価の実験

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バーグ助教は複数のクリエイターに「新しいフィットネス機器の設計」や「自動車の運転中に眠ってしまわないようにする方法」などのクリエイティブなプロジェクト取り組むよう依頼しました。

クリエイターたちは3つのアイデアを考え出し、独創的な観点でそれぞれのアイデアをランク付けするように求められました。そして、実際にそれらのアイデアの1つを完成させて提出します。つまり、クリエイターたちは、いつもの仕事と同じ思考パターンでこの実験に参加したのです。

そして、それぞれのアイデアに対する専門家と消費者の評価ランキングを集め、比較しました。

結果は次の通りです。

  1. 短時間でアイデアを捻出しなければいけない場合、クリエイターのランキングと評価ランキングは一致しました。
  2. 提出までに時間があり、アイデアを十分に練ることができた場合は、クリエイターのランキングで2位のものが、評価ランキングの1位となりました。

抽象化の大切さ

クリエイターが十分時間を使ったにもかかわらず、自己評価と専門家・消費者の評価が一致しなかったのはなぜでしょうか?

その理由についてバーグ助教は、「人々は、最初のアイデアでは具体性を重視し、抽象性を軽視します」と説明しています。

人は具体性を重視する傾向があるため、最初の段階で最良だと思えるアイデアは独創性に欠けていることが多いのです。具体的なアイデアは頭の中で組み立てやすいので、それを1番良いアイデアだと認識しやすいのでしょう。クリエイターにも同様の傾向があるので、客観的な評価が出来なくなってしまうのです。

独創的なアイデアを生み出すためには抽象的思考が欠かせません。抽象的思考は大局的な視点を有しているので、本質を見抜くことができ、応用も利くからです。実際に、専門家や消費者たちから評価されたアイデアは、クリエイターが1番に選んだアイデアよりも抽象的でした。

実験では客観的評価に失敗したクリエイターたちですが、あるステップを踏むことで、正しい自己評価を下せるようになりました。「このアイデアはどれほど良いのか」ではなく、「なぜこれは良いアイデアなのか」と自問することで、抽象的思考で評価するようにしたのです。これにより、クリエイターたちは専門家や消費者たちと同じランキングを付けることができました。

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私たちが仕事や趣味において最良のアイデアを選択するにはどうすれば良いのでしょうか? 活用できる時間によって選択方法を変えることが大切です。

もし納期が迫っていて、短期間でアイデアを捻出しなければいけないのであれば、より具体的なアイデアを選択するといいでしょう。そのアイデアが限られた時間の中で最良のものです。

しかし、納期に余裕があり十分考える時間があるのであれば、それよりも良いアイデアが生まれてくるはずです。その場合は、直感で最良のアイデアを選択するのではなく、アイデアがなぜ優れているのか考え、抽象的思考に導くと良いでしょう。

能力の高さは「着ている服」で判断されることが明らかに

reference:zmescience/ written by Nazology編集部

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