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自分を「マズくする」ことで生き残る蛾「タイガーモス」、驚きの生存戦略とは?

2021.01.27 Wednesday

2019.12.19 Thursday

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Credit: pixabay
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  • タイガーモスの一種は不味い自分の体を食べさせることで、捕食者の食欲を抑えて種を守ることがわかった
  • 捕食者が嫌がる化学物質をタイガーモスは自分で作ることができる

ウェイクフォレスト大学のNicolas J. Dowdy氏らが、捕食者から逃げずに、不味くなることで淘汰を生き残る蛾がいることを発見しました。

自らの生き残りと遺伝子の継承を優先させる動物の世界では、自分が食べられることを前提とした生存戦略は珍しいといえます。

Nonchalant Flight in Tiger Moths (Erebidae: Arctiinae) Is Correlated With Unpalatability
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fevo.2019.00480/full

捕食者から逃げないという選択

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Credit:maxpixels

通常、コウモリが生息する地域の蛾は、コウモリの発する超音波を感知して、捕食から逃れようとする回避行動を行うことが知られています。

しかしタイガーモスと呼ばれる蛾の何種かは、コウモリの超音波を感知しても、逃げようとはせず、ノンビリと飛ぶだけ。まるで食べてくれといわんばかりです。

そして奇妙な行動を取るのはタイガーモスだけではありませんでした。

コウモリのほうでも、平坦な飛行を行うタイガーモスが格好の標的であるにもかかわらず、積極的に食べようとはしなかったのです。

Nicolas J. Dowdy氏らに実験チームよってタイガーモスを口に放り込まれた場合でも、コウモリは直ぐに吐き出してしまったとのこと。

実験では、複数種類の蛾についても調べられました。結果、コウモリが吐き出す頻度が高い蛾であるほど、その蛾は回避行動について無頓着であり、コウモリが近づいても平然としていたのです。

次ページ自分の犠牲で種を保存

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