脳も「鼓動」していた。意識に関わる脳活動を発見

animals_plants 2018/03/30
Credit: NICHD NIH on VisualHunt.com / CC BY

目を閉じて安静にした状態で脳をfMRI(磁気共鳴映像法)スキャンすると、数秒おきに一度の割合で脳全体を通り抜ける脳活動を見ることが出来ます。この超低速のリズムは、数十年前に認識されていましたが、それがいったい何なのかはわかっていませんでした。fMRI自体にノイズが多いため、多くの研究者はこの現象を無視していたのです。

今回Neuron誌に掲載された研究では、マウスの脳を研究することによって、この非常にゆっくりした脳活動(ISA)が単なるノイズではないことが明らかにされました。どうやら意識や脳領域間の調節に関わるという非常に重要な働きをしているようなのです。

Spontaneous Infra-slow Brain Activity Has Unique Spatiotemporal Dynamics and Laminar Structure
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0896627318301922

ISAにまつわる活動は、海に例えると理解しやすいかもしれません。ISAは海の波で、その他の様々な脳の活動は、そこに浮かぶボートの中で行われています。各ボートは波間に浮き沈みしており、波の動きや方向に影響を受けます。ボート間のメッセージを伝達しやすくしたり、ボート間の行動の協調を難しくしたりといった影響を波が与えるのです。

Credit:  Visual hunt

ワシントン大学医学部の研究者たちは、ISAの働きを調べるために、マウスの脳の薄片の電気生理学的実験と、脳の活動を示す全大脳皮質のカルシウムとヘモグロビン画像の解析を行いました。

その結果、実験方法を変えてもISAが観測されたことから、この活動が、実験機器によるノイズでは無いことが判明。また、ISAは一定の型にそった時間的・空間的な軌道を通って伝わっており、それは麻酔下でも消えませんでしたが、方向が逆になっていました。つまりISAは、意識の有無によって変化するのです。そして、ISAが強くなった脳の部位は活動が活発になり、逆に弱い部分では活動が抑えられました。

 

研究者たちは次の研究として、ISAの軌跡の異常が、健康な人とせん妄や抑うつのような神経医学的な障害を持った人たちの間で見られるMRIスキャンの違いを説明できるかどうかを確かめる予定です。

 

via: Science Daily / translated & text by Nazology staff

 

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