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地球コアの表面では「鉄の結晶」が雪のように降り積もっている (2/3)

2021.10.07 Thursday

2019.12.24 Tuesday

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どうやって地球の内部を調べているの?

地球の内部は実際に見ることができません。さらには地球深部まで到達するような信号を人間が発することは現代技術では不可能なため、エコー検査のようなこともできません。

では科学者たちはどうやって地球の内部構造を知ったのでしょうか?

それには人類にとって恐ろしい災害でもある地震を利用しています。地震によって発生した巨大な振動は、地震波となって地球深部まで伝わっていきます。

この地震波は、通過する物質によって伝わる速度が変わります。そして波動は遅く伝わる方向へ曲がる性質があります。こうした地球内部を通った地震波の反射や屈折を利用して、地球の内部がどうなっているのか推測しているのです。

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地球を伝播する地震波のイメージ。/東京大学地震研究所 数理系研究部門,西田究

内核の構造については、極方向(南北方向)へ進む波と、赤道方向(東西方向)を進む波とで速度がかなり異なるということがわかっています。

こうした伝わる方向によって波の速度が異なることを異方性といいます。特に東西方向で起こる内核の異方性は、西半球にしか存在しておらず、波の伝わる速度は西半球の表面で遅くなっています。

これは日本の研究者が発見した事実で、内核は綺麗な球体ではなく100〜400キロメートルほどの表層の構造が、東西でかなり異なっているようなのです。

これは従来の地球内部のモデルから予想される地震波の伝わり方とかなりズレる結果であり、その原因は現在も不明です。

今回の研究者たちはこの原因について、外核の中には鉱物の結晶があり、それが雪のように内核表層へ降り積もっているためだ、と提案しているのです。

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