お互いの精子を交換し合うナメクジの交尾が神秘的

animals_plants 2020/01/13
Credit:depositphotos
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  • ナメクジは、オス・メス両方の生殖機能を持っており、交尾で交換した精子を体内に保存することができる
  • 生殖器官は、側頭部から現れ、それを絡ませ合いながら精子の交換を行う

生物は交尾によって子孫を残していきますが、ナメクジほど神秘的な交尾をする生物は少ないでしょう。

ナメクジは、それぞれがオスとメス両方の生殖機能を持っていながら、パートナーと精子を交換して受精します。側頭部から生殖器を出して、お互いに絡め合う姿は、奇怪でありながら神秘的です。

今回は、特に神秘的な交尾をするマダラコウラナメクジの秘密に迫ります。

ナメクジが繁殖する秘密

マダラコウラナメクジ(学名:Limax maximus)は、一個体がオスとメスの生殖器官を両方持っている生物グループ(雌雄同体)に属します。

特に、ナメクジやカタツムリは「同時的雌雄同体」の仲間で、これはオスとメスの機能が同時に成熟するグループを指します。ですから、他の個体と交尾することで、どちらとも受精と産卵が可能です。

他の雌雄同体は、オスとメスの成熟に時間差があり、時と場合に合わせて性転換しますが、ナメクジはこれをしません。その理由は、ナメクジの1日の移動距離が極端に短く、移動スピードも遅いため、パートナーに遭遇するチャンスが少ないことが挙げられます。

つまり、同種のパートナーに出くわした場合に必ず交尾できるよう、オスメス両方の機能を備えているのです。

Credit:Koku/Wikimedia Commons/CC BY 3.0

一方で、オスメス両方の器官を備えているならば、自家受精ができます。確かに、交尾なしで自家受精できる種もいますが、利口な行動ではありません。生物は、他の個体と交尾をすることで、遺伝的なバリエーションを増やしていきます。

反対に、自家受精は、同じ遺伝子を持った子孫しか生まれないため、何らかの病原体に感染すれば、全滅の危機に陥ります。そのため、ナメクジも交尾する方が、生存戦略を有利に進められるわけです。

ナメクジの神秘的な交尾

中でも、神秘的な交尾をするのがマダラコウラナメクジです。

彼らはまず、お互いの体を重ね合いながら、頭から尾まで入念にチェックします。その後、粘液で作った糸にぶら下がりながら交尾を始めます。その際、お互いの体を反時計回りに絡め合い、最後に側頭部から青白い生殖器を出して、精子を交換するのです。

交換した精子の大部分は食べて消化されますが、受精に必要な量はとって置かれます。さらに、相手から受け取った精子は、数ヶ月〜数年にわたって保存でき、程よいタイミングで受精することが可能です。

そのため、交尾なしで産卵しているように見える(自家受精できる)と思われることもあります。

Credit:youtube.com

一方で、ナメクジの交尾のメカニズムは、不明な点が多々あります。

例えば、マダラコウラナメクジが反時計回りに体をねじって交尾する理由や全身を密着させる理由も定かではありません。

研究者の間では、生殖器が頭の右側から現れるため、反時計回りの方が効率的という仮説や、体を密着させることで、遺伝子交換のための表面積を最大化したり、あるいは空中で体が離れてしまうリスクを最小限にするという仮説が挙げられています。

しかし、どれも直接的な研究がなされていない以上、断定はできません。生物の繁殖方法については、依然として多くのことが謎に包まれています。

※苦手な方は閲覧注意。

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reference: sciencealert / written by くらのすけ

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