「メスに食べられずに交尾するにはどうしたら…」クジャクグモの解決策がおもしろい【虫注意】

animals_plants 2020/01/14
Credit:Jurgen Otto
point
  • クジャクグモのオスは腹部の模様を「捕食者」に見せて、求愛するチャンスをつくる
  • 腹部模様はAIが誤認識するほど「捕食者」に似ている

オーストラリアやテキサス州オースティンには「世界でもっとも美しいクモ」と言われているクジャクグモが生息しています。

クジャクグモのオスは、その美しい腹部を使ってメスに求愛ダンスをすることで有名です。

1月4日、「Society of Integrative and Comparative Biology meeting」で発表された研究によると、クジャクグモのオスは自身のカラフルな腹部を捕食者のように見せ、交尾するチャンスをつくっていることが判明しました。

Society of Integrative and Comparative Biology meeting 2020
https://burkclients.com/sicb/meetings/2020/site/index.html

クジャクグモのオスは腹部を使ってメスをフリーズさせている

Credit:Jurgen Otto

クジャククモのオスはカラフルな腹部を使った求愛ダンスをすることで有名ですが、実はこの行為には「魅力を伝える以上の効果」が隠されていたのです。

クジャクグモのメスは、オスよりも身体が大きく、交尾しようと近づいてきたオスを食べてしまうことがあります。オスにとって交尾は命がけの行為です。

オスは「メスに食べられる前に自分の魅力を伝える」必要があります。この試練にカラフルな腹部が役立っているというのです。

オスの腹部模様は、クモの捕食者であるカマキリに似ています。

捕食者と対面したときのクモの一般的な反応は、硬直と観察です。すぐに逃げるのではなく、慎重に相手の脅威を測るのです。

オスはこの傾向を利用して、メスに腹部を見せ驚かせます。メスは一瞬捕食者だと勘違いして、フリーズしつつ注意深く観察します。

オスはメスがフリーズした後、ダンスによって腹部の模様を脚でわずかに隠します。「よく見て!実は敵じゃなくて、優秀なオスなんだ!この模様はとってもキュートでしょ?」とアピールするのです。

それでメスはオスの腹部だと判別でき、オスの魅力にも気付いてくれるのでしょう。

AIも誤認識するほど捕食者に似ている

Credit:Shutterstock(左),Jurgen Otto(右)

私達人間からすると、確かにクジャクグモの腹部はカマキリのように見えます。しかし、クジャクグモのメスは本当に「捕食者」として認識しているのでしょうか?

人間は画像を顔として認識する能力が高いので、人間が「似ている」と思うだけでは証拠不十分です。この点を明らかにするために、AIによる機械学習が行われました。

Credit:Jurgen Otto

クモと他の無脊椎動物を区別するためにAIに様々な画像を学習させました。その後、AIに異なる画像をクモ、カマキリ、またはハチのいずれかに分類させると、95%の精度を出すことに成功。

では、優秀なAIの「5%のミス」とは何だったのでしょうか?

その大部分は「クモの腹部をカマキリやハチと誤認識したもの」でした。この結果は、「客観的に見ても、クジャクグモの腹部模様は捕食者に似ている」ことの証明になるでしょう。クジャクグモのメスがオスの腹部を「捕食者」として認識してしまう可能性は非常に高いと言えます。

クジャクグモのオスは、交尾するために命のリスクを負わなければいけません。しかし、自分の腹部とクモの性質を巧妙に利用することにより、そのリスクを減らすことができているのです。

クモが飛ぶ動力は「電気」だったことが判明

【編集注 2020.01.14 13:55】
内容に一部誤りがあったため、修正して再送いたします。
※(誤)蛾 (正)ハチ
reference: livescience / written by ナゾロジー編集部

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