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「メスに食べられずに交尾するにはどうしたら…」クジャクグモの解決策がおもしろい【虫注意】

2021.01.27 Wednesday

2020.01.14 Tuesday

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Credit:Jurgen Otto
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  • クジャクグモのオスは腹部の模様を「捕食者」に見せて、求愛するチャンスをつくる
  • 腹部模様はAIが誤認識するほど「捕食者」に似ている

オーストラリアやテキサス州オースティンには「世界でもっとも美しいクモ」と言われているクジャクグモが生息しています。

クジャクグモのオスは、その美しい腹部を使ってメスに求愛ダンスをすることで有名です。

1月4日、「Society of Integrative and Comparative Biology meeting」で発表された研究によると、クジャクグモのオスは自身のカラフルな腹部を捕食者のように見せ、交尾するチャンスをつくっていることが判明しました。

Society of Integrative and Comparative Biology meeting 2020
https://burkclients.com/sicb/meetings/2020/site/index.html

クジャクグモのオスは腹部を使ってメスをフリーズさせている

Credit:Jurgen Otto

クジャククモのオスはカラフルな腹部を使った求愛ダンスをすることで有名ですが、実はこの行為には「魅力を伝える以上の効果」が隠されていたのです。

クジャクグモのメスは、オスよりも身体が大きく、交尾しようと近づいてきたオスを食べてしまうことがあります。オスにとって交尾は命がけの行為です。

オスは「メスに食べられる前に自分の魅力を伝える」必要があります。この試練にカラフルな腹部が役立っているというのです。

オスの腹部模様は、クモの捕食者であるカマキリに似ています。

捕食者と対面したときのクモの一般的な反応は、硬直と観察です。すぐに逃げるのではなく、慎重に相手の脅威を測るのです。

オスはこの傾向を利用して、メスに腹部を見せ驚かせます。メスは一瞬捕食者だと勘違いして、フリーズしつつ注意深く観察します。

オスはメスがフリーズした後、ダンスによって腹部の模様を脚でわずかに隠します。「よく見て!実は敵じゃなくて、優秀なオスなんだ!この模様はとってもキュートでしょ?」とアピールするのです。

それでメスはオスの腹部だと判別でき、オスの魅力にも気付いてくれるのでしょう。

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