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太古の地球生物を食い尽くした「奇妙な古細菌の一族」の起源に迫る研究 (2/5)

2021.01.27 Wednesday

2020.01.18 Saturday

前ページ真核生物の謎に包まれた起源

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まだ無垢な存在を求めて熱水噴火口の周囲の泥を掘る

バーの長さは500nm(1μの半分)/Credit:nature

これまで行われたDNAの解析により、真核生物は古細菌から分離したことは知られていましたが、その中間的な生物の発見はなされていませんでした。

しかし研究者はそのような中間的な生物が、熱水噴火口のような極端な環境で生き延びているに違いないと確信し、海底から泥を採取して、なかに住む微生物を調査することにしました。

まず研究者は採取した海底から、2000日以上もかけて、嫌気性(無酸素)の条件下で生物の採取と濃縮を行い、そうして得られた生物を1種類ずつ培地に移して分離しつつ、増やしていきました。

細菌が一定数に増殖すると、その細菌が目的とする古細菌と真核生物の特色をもっているかどうかを、1種類ずつ遺伝子解析を行って確かめていきました。

そうして気が長くなるような作業を12年も続けることで、研究者たちはMK-D1と名付けられた、真核生物の特徴を持つ、嫌気性の小さな細菌(直径550nm)の分離に成功したのです。

次ページMD-K1は古細菌と真核生物の間の中間生物と言える

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