地球内部から流出する「ゴースト粒子」を新たに検出することに成功

Credit: pixabay
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  • 地球内部から流出する「ジオニュートリノ」の検出に成功
  • ジオニュートリノは、地球内部の放射性崩壊によって生じ、惑星運動に供給する熱源を解明する鍵となる

グラン・サッソ国立研究所(伊)は、21日、地球内部から流出する「ジオニュートリノ」を新たに検知したと発表しました。

ジオニュートリノは、ほとんどの物質と相互作用しないことから、「ゴースト粒子」とも呼ばれます。

目に見えず、検知も困難ですが、地球内部で生じる熱源の秘密を解明するのに役立つ物質です。

研究の詳細は、1月21日付けで「APS Physics」に掲載されました。

Comprehensive geoneutrino analysis with Borexino
https://journals.aps.org/prd/abstract/10.1103/PhysRevD.101.012009

「ジオニュートリノ」とは?

ジオニュートリノは、他の素粒子とほとんど反応しないため、あらゆる物質の中を通り抜けていきます。人の体を例に取ると、およそ1平方cmにつき、毎秒100万個のニュートリノが通過しているのです。

しかし、物質に影響を受けないので、体への害もまったくありません。

ジオニュートリノを検知するには、ごくまれに他の素粒子と反応した時に発する微弱な光をキャッチする必要があります。ジオニュートリノは、地球内部でトリウムやウラニウムといった原子核が放射性崩壊を起こす時に生じます。

今回、ジオニュートリノを検知したのは、グラン・サッソ国立研究所が所有する「Borexino検出器」です。この検出器は、地下1400mの場所に設置してあり、他の機械では感知できないような微細な現象を捉えることができます。

Borexino検出器/Credit: journals.aps

Borexino検出器は、2007年から運用しており、2010年に初めてジオニュートリノを検出しています。しかし2019年の今回は、その時の倍近くに当たる53回のジオニュートリノの検出に成功しました。

ジオニュートリノを研究することで、放射性崩壊に伴い、どれほどの熱量が発生しているかを知ることが可能です。私たちが暮らす地球は、強力な磁場の動きや火山活動、地殻プレートの変動、マントル対流など、他の太陽系惑星には見られない動きが数多く存在します。

ジオニュートリノのデータは、こうした地球の動きのメカニズムをより詳しく理解するのに役立つのです。

Credit: Copyright Borexino Collaboration

これまでの研究で、ジオニュートリノを生み出す放射性崩壊によって地球内部の熱源の半分以上が作り出されていることが分かりました。後の半分は、地球形成時に発生した熱の名残です。

したがって、放射性崩壊による熱源は、地球の運動に無視できない量の熱エネルギーを供給しているのです。

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reference: independentscitechdaily / written by くらのすけ
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