ゴムのように伸びるバッテリーが開発される

technology 2020/01/28
Credit:Nature Communications
point
  • 柔軟性のあるバッテリー開発は、柔軟性のある電子機器の開発に不可欠である
  • 開発された新しいバッテリーはゴムのように伸ばしたり折りたたんだりできる

電子機器はコンパクトになり、簡単に持ち運べます。電子機器を携帯することは、今では「普通」のことになりました。

最近の画期的な発明は、電子機器を「持ち運ぶもの」から、「身に着けるもの」へとシフトさせる可能性を示唆しています。

スタンフォード大学の研究者チームが、ゴムのように柔軟性のあるバッテリーを開発しました。新しいバッテリーには固体ポリマーが使用されており、安全かつ安定して電力を供給できます。

研究の詳細は「nature communications」に掲載されました。

Decoupling of mechanical properties and ionic conductivity in supramolecular lithium ion conductors
https://www.nature.com/articles/s41467-019-13362-4

柔軟性な電子機器の必要性

Credit:Nature Communications

今では、タブレット機器やスマートフォンで場所を選ばずに作業したり、娯楽に興じたりできます。電子機器の小型化は世界に革命をもたらしました。では、次に同等の影響を与え得る技術は何でしょうか?

科学者たちは「柔軟性」が電子機器をさらに便利にしてくれるものだと感じています。

柔らかく伸縮性のある電子機器が開発されるなら、電子機器は衣服のように身に着けても違和感の無いものとなります。

医療分野においても、呼吸や心臓、体温、脳の活動などを監視するセンサーは「固いもの」ではなく、「体内や体外にフィットするもの」になります。

たとえ大きなディスプレイでもポスターのように丸めて持ち運ぶことさえ可能になるでしょう。

既に、多くの科学者たちは、電子機器に柔軟性を持たせる研究や実験を進めています。そして、柔軟性のある電子機器の開発には「柔軟性のあるバッテリー」が欠かせません。

最近、スタンフォードの科学者たちは、柔軟性のあるバッテリーの開発に成功しました。

伸ばしても捻じっても大丈夫!ゴムみたいなバッテリー

開発された新しいバッテリーはゴムのように柔軟です。伸ばしても、捻じっても、折りたたんでも電力供給が途切れないようになっています。

従来のバッテリー(リチウムイオン電池)は可燃性の液体電解質に依存しているため、固い素材で守られる必要があります。仮に、柔軟性のあるバッテリーを作ろうとして表面だけを柔らかくしても、漏れや発火という問題を招いてしまうでしょう。

バッテリーの材料にポリマー(プラスチック)を使用するなら、ある程度の柔軟性を持たせることができます。しかし、これもゲル状の電解質であるため、やはり漏れや発火という問題を解決できていませんでした。

そこで、科学者たちはゲル状ではなく固体で伸縮性のあるポリマーに目を付けました。固体のポリマーを利用したバッテリーを開発することにより、柔軟性を持つゴムのようなバッテリーが完成したのです。

ある実験では、元の長さのほぼ2倍にまで絞られ、折りたたまれ、引き伸ばされたにもかかわらず、一定の出力を出すことに成功しました。

現在のところ、柔軟性バッテリーのエネルギー密度は、同等のサイズの従来バッテリーの約半分です。研究チームは、エネルギー密度を高め、実用できるバッテリーの開発を目指しています。

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reference: zmescience / written by ナゾロジー編集部

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