先延ばし症状の根本的な原因は「時間管理」ではなく「感情管理」だった

psychology 2020/02/10
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ついタスクを先延ばしにして、締め切りに追われたことがある人は多いでしょう。その解決策をネットで調べると、「時間の管理術」「時間を上手く使うには」といった情報がほとんどです。

しかし近年になって、先延ばし対策には、時間の管理よりも「感情の管理」をしたほうが良いのではないかと言われ始めています。

先延ばしの本当の理由は「気分を変えたい」という気持ち?

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2000年代、オハイオ州のケースウエスタンリザーブ大学の研究者は、先延ばしの原因ついて研究をしました。

実験参加者は悲しい物語を読んだ後、やるべきテスト勉強をせず、目の前のパズルやテレビゲームやり始めて先延ばししてしまいました。

この先延ばしは、参加者が「楽しいことをすると気分が変化する」と思っている場合に見られたとのこと。

反対に、楽しいことをしても気分が変わらないと思い込ませたときには、先延ばし症状が見られないことが分かりました。

つまり、先延ばしは、感情のコントロール不足が原因で、楽しいことをすると気分を変えられると思っていた場合に生じていたのです。

2015年度のインディアナ大学の調査では、この結果を実際の現実場面で検証しました。

被験者に、Youtubeで人気のあった猫の動画を見せたところ、動画はポジティブな感情を引き起こし、その結果、多くの人物が先延ばしを経験しました。

これは、ビデオを見る時間の管理能力の欠如ではなく、感情コントロールの問題だと言われています。

さらに、この研究を行ったマリックは、「多くの参加者は、猫のビデオを見た後、先延ばしをし、さらに罪悪感まで覚えていました」といいます。

私たちは、仕事を先延ばしし、目の前の楽しいことを行うと、罪悪感やフラストレーションを起こしやすくなってしまいます。

そして、そのことから、さらにストレスを感じ、不安やうつ病、心血管疾患などにかかりやすくなる可能性があることがFuschia Siroisの研究で示されています。

つまり、先延ばしは、締切に間に合わないといった社会的な問題だけではなく、健康面での問題をも引き起こす可能性があるのです。

先延ばし症状への効果的なアプローチ法

では、先延ばしを防ぐためにどうしたらよいのでしょうか。その方法の一つとして、ACT(Acceptance and commitment therapy)があります。

ACTとは、どんな感情や行動であっても受容すること、そして、自分に対して一番大事なことを明らかにし、そのための目標をセッティングし、実行することを指します。

つまり先延ばしを防ぐためには、自分の気持ちは何なのか、目標は何なのかと、継続的に把握していくことが重要なのです。

ACTは心理的柔軟性や目標の追求行動を高めてくれることが多くの調査で支持されており、先延ばしに対しても効果が期待されています。

次に先延ばししそうなときには、「今やろうとしていることは何か、次の自分のやりたい目標は何か、そのための簡単なステップは何か」というように、自分自身に問いかけてみるといいかもしれません。

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reference: bbc.com / written by ナゾロジー編集部
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