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3億3000万年前に生きた「古代サメ」の化石が発見される

2021.01.27 Wednesday

2020.02.09 Sunday

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洞窟内で見つかったサメの化石/Credit: Matt Cecil
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  • アメリカの洞窟内で、3億3000万年前に生きていた古代サメの化石が発見される
  • 軟骨からなるサメの骨格は、化石として残りにくいが、今回は、頭蓋骨や下顎、軟骨なども発見されている

アメリカ・ケンタッキー州にあるマンモス・ケーブ国立公園にて、約3億3000万年前のサメの化石が発見されました。

サメは約4億年前のデボン紀に起源を持つ非常に古い生物。古代のサメは石炭紀〜ペルム紀(約3億6000万年〜2億5000万年)の間に絶滅しています。現代のサメが生まれたのは、それ以降の中生代(2億5217万年〜6600万年前)です。

今回発見された化石は、有史以前のサメに関する貴重な記録です。

研究の詳細は、1月29日付けで「Louisville Courier Journal」に掲載されました。

サイズは「ジョーズ」に匹敵

最初に化石を発見したのは、同地で化石調査をしていた科学者のリック・オルソン氏とリック・トゥーミー氏でした。両氏は、洞窟の壁に保存されていた化石を写真に撮り、古生物学を専門とするジョン・P・ホドネット氏に鑑定してもらいました。

ホドネット氏は、画像中の化石をサメと特定しましたが、特に興味を持ったのはその保存状態です。

「大部分が軟骨からできているサメの骨格は、普通の骨のようには化石化せず、めったに化石として残りません。見つかるのは歯ばかりです。

しかし、画像を見ると、明らかに化石化した軟骨部分が確認できました。これは、サメの骨格が洞窟の壁に保存されていることを示唆するものです」と話しています。

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発見されたサメの歯/Credit: Matt Cecil

画像確認後、ホドネット氏は直接現地を訪れ、化石の調査を行いました。

その結果、骨格の全体が発見されはしなかったものの、頭蓋骨や下顎、軟骨、そして複数の歯が特定されたのです。化石のサイズから、このサメは、現代のホオジロサメと同等の大きさを誇り、全長4.5mほどと推定されています。

また、同氏によると、サメは、およそ3億4000万年〜3億3000万年前に生息していた「Saivodus striatus」という種である可能性が高いそうです。

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Credit: pixabay

その時期は、ミシシッピ後期地質時代(およそ3億5900万〜3億2300万年前)に相当し、洞窟が位置するケンタッキー州は、浅い熱帯の海に沈んでいました。

そのため、この地域では、数多くの海洋生物の化石が発見されています。今回の発見は、古代サメの生態を詳しく知る貴重な情報源となりそうです。

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reference: newsweekcourier-journal / written by くらのすけ

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