世界最初の大ヒット映画が「4K高画質」に生まれ変わって公開!

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『ラ・シオタ駅への列車の到着』(1896)/ Credit:youtube
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  • 世界最古の映画の一つである『ラ・シオタ駅への列車の到着』が、AI技術を使って4K高画質に修復される
  • 本作は、映画史上初のヒット作であり、公開からわずか4年間で100本以上のリメイクが作られた

世界最初期の映画として知られる『ラ・シオタ駅への列車の到着』

映画史の中ではあまりにも有名なこの作品が、このたび、AI技術により、4K高画質に修復されて公開されました。

1896年に初公開された本作が、120年以上の時を経て、鮮明な映像とともに現代に蘇っています。

映画史上最初のヒット作

本作を撮影したのは、映画の生みの親の一人であるフランスのリュミエール兄弟です。

彼らが、1895年に発表した「シネマトグラフ」は、一度に大勢の観客が見られる世界初のスクリーン映写機として登場しました。この装置は、撮影と投影の両方ができる優れものです。

それ以前の1891年に、発明王エジソンが、映画の原型である「キネトスコープ」なるものを開発していますが、これは、一度に一人ずつしか見れない、いわゆる「のぞき穴装置」でした。

ちなみに、エジソンもそのすぐ後に、「バイタスコープ(1896)」というスクリーン映写機を発表しています。

リュミエール兄弟、兄オーギュスト(左)と弟ルイ(右)/Credit: ja.wikipedia

リュミエール兄弟は、自らが生み出したシネマトグラフを使って、膨大な数の映画(記録映像)を撮りました。

その中で最も有名なのが、『ラ・シオタ駅への列車の到着』です。

パリのグラン・カフェで初上映されたわずか50秒ほどの映像に、集まった観客たちはひどく驚嘆。「近づいてくる列車に轢きつぶされるのではないか」と逃げ惑ったという逸話まで残っています。

その映像がこちらです。

この短い映像は、公開後たちまち話題を呼び、1900年までの4年間に100本以上の「列車の到着」が世界中でリメイクされました。

つまり、映画史上最初の大ヒット作となったのです。

AIで4K高画質に修復

修復映像の投稿者であるデニス・シリャエフ氏は、「Gigapixel AI」という技術を用いて、本作を4K高画質としてアップデートしています。

Gigapixel AIは、人工知能を用いた、画像や映像の高解像度化ソフトウェアのことで、動画内の不足した情報を埋め合わせ、生成するために「深層学習(ディープ・ラーニング)」を活用します。

こうして新たに生まれ変わった『ラ・シオタ駅への列車の到着』がこちら。

線路の散らばる小石や画面のハリなどが、微細に表現されている様子が伺えます。

世界最古の映画が、こうして現代に蘇ることは、映画好きにとっては感動モノでしょう。

同時に、この4K映像をカラーリングした映像も公開されています。

ここまでくると、もはや1896年ではなく、最近撮影された映像に見えますね。

Gigapixel AIと他技術の比較画像 / Credit: techspot

リュミエール兄弟は、その後、世界各地にカメラマンを送り、その土地の街並みや風景をカメラに納めました。

その作品の数々は、ドキュメンタリー映画『リュミエール!』にて見ることができます。

リュミエール兄弟により、記録映像として登場した映画は、その後、ジョルジュ・メリエスという人物により、「真の見世物」に進化します。

メリエスは、「ストップ・モーション」という撮影トリックを発見したのです。例えば、人が歩いている様子を撮影し、一度カメラを止めて、その間に人を画面から外し、再び撮影を始める。

すると、再生される一連の映像では、突然画面から人が消えたように見えるのです。この性質を利用して、メリエスは数多くのマジック風作品を作り出しました。

メリエスの『月世界旅行』/Credit: ja.wikipedia

映画は、その後、アメリカやロシアの大監督たちにより、無声映画の全盛期に突入。1927年には、音声付きのトーキー時代へと移行し、それからも、白黒からカラー、デジタル撮影、3D、4Dと進化を続けています。

今後、映画文化はどのように進化していくのでしょうか。

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reference: zmescience / written by くらのすけ
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