リアル「光学迷彩」? モノを透明にする技術が発明される

science_technology 2017/11/27
Credit: pixtabay

「もし透明人間になれたら、あんなことやこんなこと……」

動機はともあれ、誰もが一度は夢みたことがあるのではないでしょうか。ついに科学者は、そんなみんなの夢「透明人間」に近づいたかもしれません。

イスラエルの科学者たちは「光を曲げる」ことによって、モノを透明化する技術を開発しました。

Source: Invisibility Cloaking Scheme by Evanescent Fields Distortion on Composite Plasmonic Waveguides with Si Nano-Spacer – Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-017-10578-6

光の反射を止める! 「ステルスチップ」

Credit: Scientific reports

イスラエルのネゲブにあるベン・グリオン大学の研究チームは、今年9月、科学誌Scientific reportsに「物を透明にする技術」内容の論文を発表しました。

そもそもあなたが物を見るとき、あなたは実際にはその物自体をみている訳ではありません。その代わりに、光が物に反射し、反射した光があなたの眼に入ってきて、脳内で光がイメージとして変換されます。

それでは、どのようにして物を見えなくできるのか?光の反射を止めるのです。それが、科学者達が解明した答えです。科学者たちは、「ステルスチップ “cloaking chip”」によって物体の周りで光を散乱させ、不可視にすることが可能だと説明します。

「この光は物体と相互作用しないので、結果として物体が見えなくなるのです」と、この研究をしているアリナ・カラブチェブスキー博士は述べています。

ただ残念ながら、この「ステルスチップ」を一般購入することはまだ難しいようです。これはまだ理論上の話であり、まずは小さな物体から実験が始まることでしょう。科学者達は「プロトタイプを開発するには、まだ重要な課題を解決する必要がある」とのことです。

とはいえ、信頼性の高いNatureの姉妹誌で発表された実質的な理論です。遅かれ早かれ実現化してくれるはずなので、大人しく待ちましょう。

日本でもリアル光学迷彩を研究している人がいた

Credit: rcast.u-tokyo.ac.jp / 再帰性投影技術による「光学迷彩」

実は今までにも、「モノを透明にする技術」 はありました。

たとえばアメリカのデューク大学では、特殊な金属繊維を使って、光を反射せず後方へ迂回させるという研究を行っており、イギリスでも「可視光線の領域」で光を曲げることができる物質の作成に成功しています。

その中でも今回のテーマにおいて外せないのが、慶応大学大学院の稲見昌彦教授 の「光学迷彩」です。

研究室の教養本が、「光学迷彩」の名を世に広めた士郎正宗氏原作の『攻殻機動隊』だったといいますから、その「光学迷彩」への熱意たるやまさに筋金入り。

その技術とは、背景を撮影したビデオカメラ映像を再帰性反射材にすることで、光学迷彩を実現しているとのこと。今までの迂回型の光学迷彩では、対象が見えなくなると同時に、対象自体も周囲が見えなくなる問題がありました。しかし稲見教授の「光学迷彩」は、その対象からも外部が確認できるのです。

 

年々進化する、モノを透明にする技術。全てのSF好きのため、リアル「光学迷彩」の実用化が期待されますが、ただそれによる犯罪等の問題を考えると、実現の前に考えなければいけないことは多そうです。

 

via: fromthegrapevine.comsciencedaily.comnewssalt.com / text by nazology staff

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