光合成をする「生きたTシャツ」の作成に成功

technology 2020/02/10
光合成シャツを着たディアンジェン・リン氏/Credit:Dian-Jen Lin
point
  • 光合成する生きたTシャツが作成された
  • 光合成Tシャツは、藻類がコーティングされており、二酸化炭素を吸収して酸素を放出する

環境問題に対処するため、多くの分野でよりクリーンな素材が追及されています。

ファッション業界でも同様の目標が掲げられており、環境に害を及ぼさないファッションを開発するデザイナーも増えてきました。

そのような取り組みの一環として、空気中の二酸化炭素を吸収するカーボンネガティブな衣服作成にも焦点が当てられてきました。

それらの研究により、ディアンジェン・リン氏らの新興企業であるPost Carbon Labは、光合成する生きたTシャツを作成することに成功しました。

このTシャツは、光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を放出することができます。

光合成するTシャツの詳細は2月8日「The Guardian」に掲載されました。

Do you have it in green? The living fabrics that can help clean the air
https://www.theguardian.com/environment/2020/feb/08/fashion-living-garments-suck-carbon-from-air

着ているだけで酸素を放出する光合成Tシャツ

Credit:Dian-Jen Lin

光合成Tシャツは通常のTシャツに「光合成コーティング」を施しています。

光合成コーティングには藻類が使用されており、光合成することにより二酸化炭素を吸収して酸素を放出するのです。まさに「生きた」Tシャツと言えるでしょう。

大きな光合成Tシャツ1枚(約1平方メートルの素材)で、6才のオークの木と同量の酸素を生成できるとのこと。

しかしケアや保管には、通常の衣類よりも手間がかかります。

Tシャツは光合成をしなければ死んでしまうので、光や二酸化炭素が供給される場所に保管する必要があるでしょう。

当然、暗いクローゼットの中には保管できません。日光と空気の入れ替わりがある場所に保管すべきです。

ですので、光合成コーティングはインナーではなく、ウインドブレーカーやジャケットなどアウターに適しています。

光合成コーティングの応用

Credit:Dian-Jen Lin

研究チームは、光合成コーティングの限界にも挑戦しており、衣服のフルコーティングやすべての衣服への適応が可能とのこと。

しかし、光や温度によって、色が変わってしまう可能性もあります。

「健康状態では濃い茶色がかった緑、オレンジがかった緑ですが、不調な時は、黄色、オレンジ、茶色、紫、白、透明になります。」とリン氏は述べています。

ただし、強い回復力もあり、3年前のサンプルが復活した例もあります。

このように品質維持という課題はありますが、利用範囲の広さは注目に値します。

光合成コーティングは衣服以外にも応用できます。現在、リン氏は靴やリュック、カーテン、枕カバー、傘、ビルのキャノピー(天蓋)などへの応用を考えています。

カーテンやビルのキャノピーであれば絶えず日光が当たるため、光合成コーティングが弱ってしまうこともなく、効率的に二酸化炭素を吸収できるのです。

光合成コーティングは、いくつかの改善点もあるようですが、環境改善への大きな可能性を秘めた取り組みといえるでしょう。

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reference: theguardian / written by ナゾロジー編集部
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