- バラの匂いが充満する部屋での学習と睡眠は、記憶力を30%向上させた
- 匂いによる睡眠学習は可能かもしれない
試験を控えている学生や社会人にとって、学習効率の向上は非常に大切です。
学んだことを記憶として定着させるために、睡眠が役立つことはよく知られています。
新しい研究では、匂いと睡眠中の記憶定着の関係性が明らかになりました。
ドイツのフライブルク大学のユルゲン・コーンマイヤー氏らの研究チームは「勉強中と睡眠中の匂いが学習効率を向上させる」ことを発見したのです。
バラの香りが充満した部屋での学習と睡眠が、生徒たちの英単語の記憶率を約30%向上させました。
研究の詳細は、1月27日「Scientific Reports」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41598-020-57613-7#Sec7
匂いで記憶力が向上する?
学んでいる事柄を効率よく記憶するためには「関連づけ」が大切です。
研究者たちは、バラの香りのような微かな匂いが学習内容と関連づけされ、記憶力にどのように影響するのかを調べることにしました。
この研究は54人のドイツ人学生を対象として行われました。
彼らにはバラの匂いを嗅ぎながら、英語の語彙学習を行なってもらい、それがテスト結果にどのような影響をもたらすか調査しました。
また、睡眠との関連性も同時に調査されました。
彼らは、次の4つのグループに分けられました。
N(None):匂いなし
LT(Learning&Test):学習中とテスト中にバラの匂いがある
LS(Learning&Sleeping):学習中と睡眠中にバラの匂いがある
LST(Learning&Sleeping&Test):学習中と睡眠中、テスト中にバラの匂いがある
それぞれのグループのテスト結果には大きな違いが生じました。NグループとLTグループは同等の成績でしたが、バラの香りの中で寝ていたLS、LSTグループは好成績を残せたのです。
バラの匂いのある部屋で勉強したり寝たりすることで、記憶しやすくなり、英単語の記憶力は30%も向上しました。