新型コロナウィルスの鮮明な画像が初公開される

biology 2020/02/15
走査型電子顕微鏡画像によるイメージ。ヒト細胞はピンク色、新型コロナウイルスは黄色で表現されています /Credit:NIAID-RML
point
  • 米国の国立アレルギー感染症研究所から、新型コロナウイルスの鮮明なイメージが公開された
  • 新型コロナウイルスは以前のコロナウイルスと似た形をしている

中国で猛威を振るっている新型コロナウイルスCOVID-19(以前は2019-nCoVと呼ばれていました)の鮮明なイメージが、米国の国立アレルギー感染症研究所のRocky Mountain Laboratories(RML)から公開されました。

新型コロナウイルスの画像は日本の国立感染症研究所によって2019年1月31日に公開されていましたが、RMLは米国の患者から採取したウイルスをより鮮明で立体的な画像として公開しています。

画像の詳細は「National Institute of Allergy and Infectious Diseases」にて公開されています。

New Images of Novel Coronavirus SARS-CoV-2 Now Available
https://www.niaid.nih.gov/news-events/novel-coronavirus-sarscov2-images

2種類の高解像度顕微鏡によるコロナウイルス画像

RMLの研究者たちは新型コロナウイルスを2種類の高解像度顕微鏡を用いて画像を取得しました。

1つは透過型電子顕微鏡と呼ばれるもので、得られる映像は平面的ながら、内部構造の詳細を観察できるというメリットがあります。

透過型電子顕微鏡による新型コロナウイルス画像/Credit:NIAID-RML

もう1つは走査型電子顕微鏡と呼ばれるもので、立体的な画像を取得できます。内部構造は見えませんが、対象の構造や配置を正確に把握できるというメリットがあります。

走査型電子顕微鏡画像による画像。ヒト細胞は青・ピンク・紫で、新型コロナウイルスは黄色で表現されている。/Credit:NIAID-RML

RMLはこれら2種類の画像に着色することで、さらに理解しやすい画像を公開しています。

日本の国立感染症研究所が以前に公開した画像は透過型電子顕微鏡によるものと思われます。

日本の国立感染症研究所で分離された新型コロナウイルス画像/Credit:国立感染症研究所

RMLが新しく公開した画像と比較することで新型コロナウイルスへの深い理解が得られるはずです。

さらに、これまでのコロナウイルスとの関連性も明らかになっています。

新型コロナウイルスの画像は、2012年に出現した中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、および、2002年に出現した重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)の画像と相似点が多くみられます。

これは3つのウイルスがすべて同じコロナウイルスのファミリーに属しているためです。

コロナウイルスの周囲にある突起部分は先端が球状になっており、コロナの名称の由来は、王冠を上から覗き込んだ形状に似ていることからつけられました。

一見、安易な名称ですが、コロナウイルスの一番の恐ろしさはこの周囲の突起部分にあります。

突起部分には人間の細胞表面のタンパク質に取り付つくフック機能と、取り付いた細胞を混乱させ、自分や自分の遺伝子を細胞にとりこませる働きがあるのです。

(左)中東呼吸器症候群コロナウイルス/Credit:NIH . (右)重症急性呼吸器症候群コロナウイルス/Credit:CDC

今後さらなる高精度の画像取得によって、新型コロナウイルスの分析は進んでいくでしょう。

コロナウイルスの黙示録的な広がりをリアルタイムで追跡するサイトが公開

reference: livescience / written by ナゾロジー編集部
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