- 鳥たちは警報ツイートによって、捕食者から身を守っている
- ゴジュウカラは間接情報を鵜呑みにせず、フェイクニュース拡散対策をしている
ツイッターなどのSNSは情報を拡散するのに効果的ですが、フェイクニュースが広まるきっかけにもなっています。
フェイクニュース拡散の主な原因といわれているのが、「間接的情報のリツイート」。
自身が直接見たり聞いたりしたわけではない情報を安易にリツイートすることによって、真偽が明確でない情報が爆発的に広まるのです。
モンタナ大学の卒業生であるノラ・カールソン氏らによる数十年にわたる研究によると、鳥がニュースを「リツイート」すること、またフェイクニュース対策も施していることが判明しました。
私達人間よりも、鳥たちのほうが賢く情報を扱っているのかもしれません。
研究の詳細は1月27日「Nature Communications」に掲載されました。
Nuthatches vary their alarm calls based upon the source of the eavesdropped signals
https://www.nature.com/articles/s41467-020-14414-w
鳥のオリジナルツイートで危険回避
鳥たちは通常、自分の居場所を赤ちゃんに伝えるために鳴き声を発します。ですので、繁殖期になると、森は鳥たちの歌声で賑わうものです。
もちろん、鳥の鳴き声はそれ以外の用途もあります。緊急時の警報として活躍するのです。
シジュウカラ(四十雀)と呼ばれる小鳥は、捕食者に敏感で、発見すると警告として鳴き(ツイート)始めます。
しかも、「地上の蛇」「空を飛ぶ鷹」「木にとまっている鷹」などの特定の情報と脅威レベルを、鳴き声を変化させることで正確に伝えることができます。
このオリジナルツイートを聞いた仲間たちは、次々にリツイートし始めます。
つまり、この「鳥のSNS」によって、森全体に警報が伝わるようになっているのです。
警報は時速160kmで伝わることも判明しており、鷹が到着する5分前には既に周囲の鳥たちに伝わっていることさえあります。
鳥のリツイートの嵐は、捕食者たちを悩ませます。警報がバズった周辺では獲物が捕まえられないので、遠くへ移動するしかないのです。