- フィンランドの研究で、活動的な男性は、そうでない男性より、テレビの視聴時間が長いことが判明
- 反対に、女性は、活発的な人ほど視聴時間が短かかった
- 男女間の違いには、健康意識の高さや家事の時間が関係している可能性が高い
フィンランド・LIKES研究所およびユヴァスキュラ大学により、「1日のテレビ視聴時間」と「身体的な活発さ」との関係が明らかになりました。
それによると、同国の成人女性は、活動的な人ほどテレビを見る時間が短く、活動的でない人ほど長いという結果が出ています。
しかし反対に、成人男性では、活動的な人ほどテレビを見る時間が長く、活動的でない人ほど短いことが分かりました。
この違いは、性別間におけるライフスタイルや健康への考え方の差に原因があるようです。
研究の詳細は、「Physical Activity and Health」に掲載されています。
https://journals.humankinetics.com/view/journals/jpah/16/12/article-p1078.xml
男女間で視聴時間が変わるのは「運動への動機」
この研究は、同研究チームが10年間にわたり採取したデータをもとにしており、フィンランドの成人男女における「余暇の時間の活動性」と「テレビ視聴時間」の関係性を調べたものです。
結果は先に示した通りで、活発な女性は、1日のテレビ視聴時間が1〜2時間以下。活動的でない女性は、1日3時間以上の視聴時間となっています。対して、活動的な男性は1日2時間以上、活動的でない男性はそれ以下でした。
さらに、活動的な男性においては、運動する時間も別に設けていました。
この理由について、LIKES研究所のXiaolin Yang氏は次のように説明します。
「1つは、男性と女性で、運動に対する動機が異なることが挙げられます。これまでの研究によると、男性は競争心や自制心の強化といった『内的理由』が主で、女性は見た目や健康維持という『外的理由』が動機が主だと言われています。女性は通常、男性よりも健康に対する意識が高いため、活動的な人ほどテレビの視聴時間が短いのでしょう」
要するに、「テレビを見るくらいならその分を運動の時間に当てて体調管理に努めよう」というわけです。
この理由の他に、ユヴァスキュラ大学のIrinja Lounassalo氏は、こう付け加えます。
「女性に関しては、家事の時間も関係しているでしょう。フィンランドにおいて、女性が家事に費やす1日の時間は男性より平均して1時間ほど多いことが分かっています。つまり、活動的な女性は、家事をする時間の分、テレビを見る時間が減っていると考えられます。」
この傾向は、フィンランド以外の多くの国や地域に共通していることでしょう。
しかし、テレビの視聴時間が増えて、座りっぱなしの時間が長くなると、その分、健康に悪影響があります。テレビやネット、SNSに時間を取られすぎていると感じたら、定期的に散歩に出かけるのも良いでしょう。