新型コロナとインフルエンザウイルスはなにが違うの?

電子顕微鏡写真。左がインフルエンザウイルス。右が新型コロナウイルス/Credit:wikipwdia
point
  • インフルエンザと新型コロナウイルスの比較をしてみた
  • 新型コロナウイルスは感染力、重症化率、死亡率の全てがインフルエンザを遥かに上回っていた

新型コロナウイルスは世界各地で猛威を奮っていますが、インフルエンザと比べてどれほど警戒すればいいのかは初期にはわかっていませんでした。

しかし発生から数か月がたち、新型コロナウイルスはインフルエンザよりも遥かに危険だと判断できる数々の統計結果が報告され始めています。

新型コロナウイルスは感染力、重症化率、死亡率の全てにおいて通常の季節性インフルエンザを上回っていたのです。

今回は、新型コロナウイルスとインフルエンザを4つの相違点と2つの共通点から紹介します。

1つ目の違い:重症化率

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インフルエンザの場合、入院するほど症状が悪化する人は感染者全体のなかでも1%ほどです。

しかし新型コロナウイルスでは感染した場合の重症化率は14%にもなります。

そのうち三分の一にあたる5%の患者は、呼吸不全、敗血症性ショック、多臓器不全を発症して極めて危険な状態に陥るとされています。

通常の季節性インフルエンザと比べると、単純計算で重症化率は14倍です。

2つ目の違い:死亡率

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インフルエンザの場合、死亡率は僅か0.1%に過ぎません。

しかし新型コロナウイルスでは、2.3%が死亡するとされています。

単純計算では、新型コロナウイルスの死亡率はインフルエンザの23倍にも及びます。

特に80歳以上の高齢者が感染した場合の死亡率は15%(6.7人に1人)と極めて高く、超高齢化社会である日本で新型コロナウイルスが蔓延した場合、大きな被害が予想されます。

3つ目の違い:感染力

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インフルエンザの感染力は、感染者1人がおよそ1.5人に広げる程度であり、結果として年間平均でアメリカ人の8%がインフルエンザにかかるとされています。

しかし新型コロナウイルスでは、1人の感染者が平均して他の2〜4人に広げているとされます。

香港大学のGabriel Leung氏は2月11日「もしこのままウイルスの感染拡大が停止しないと、世界人口の60%に感染し、5000万人が死ぬ恐れがある(死亡率が1%の場合)」と海外メディア「The Guardian」に語りました。

一方で、新型コロナウイルスは幼児の重症化はしにくいようです。

3月6日現在では、9歳未満の死亡は報告されていません。

1918年に5000万人が死んだとされる史上最大規模のインフルエンザ流行(スペイン風邪)では、幼児や20~40代の人々の死亡率が高かったとされ、大きな違いといえるでしょう。

4つ目の違い:ワクチンがない、終わりがわからない

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インフルエンザと人類の関係は古く、古代エジプト時代には既にインフルエンザと思われる感染症の記録が残っています。

人類の歴史は、インフルエンザと共にあったと言えるかもしれません。

それ故に、人類社会はインフルエンザに対する知識の蓄積が進んでおり、季節型インフルエンザに対しては毎年ワクチンが用意され、終息時期も予想が可能です。

しかし新型コロナウイルスのに対して、人類はまだほとんど知識を持ち合わせていません。

ワクチンも開発されておらず、終焉時期も予測不能です。

米国国立衛生研究所では今後数か月以内にCOVID-19の潜在的なワクチンの臨床試験を開始する予定ですが、ワクチンが完成するまでは自己防衛するしかなさそうです。

アメリカ疾病管理予防センターは石鹸と水で20秒以上、手を洗い、頻繁に触れる物体や表面をきれいにして消毒することを推奨しています。

共通点1:サイトカインストーム(免疫の暴走)

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インフルエンザおよび新型コロナウイルスによる代表的な死因の中に、サイトカインストームがあることが知られています。

サイトカインストームとは、感染によって免疫が過剰反応を起こす症状です。

免疫が正常に働いている間はウイルスだけを攻撃してくれますが、免疫が暴走すると、正常な細胞を含めてあらゆる組織を破壊するようになります。

以前に流行したSARSでは、暴走した免疫の攻撃によって患者の肺に無数の穴が開き、ハチの巣状になることが報告されていましたが、新型コロナウイルスの患者にも同様の病変が報告されています。

症状が進むと肺の損傷がさらに酷くなり、呼吸不全となって死に至ります。

共通点2:変異能力

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インフルエンザは毎年変異を起こし、人間の免疫能力とワクチンを突破しようとすることが知られています。

北京の北京大学のXiaolu Tang氏らが、103例から採取されたウイルスゲノムを分析した結果、新型コロナウイルスも既に変異をはじめ「L型」「S型」の2種類に別れていることがわかりました。

分析では「S型」のほうが古いタイプであり、動物から人間に感染が起こった時に誕生したようです。

一方「L型」は、その直後に起きた変異によって登場した新型であり「S型」よりも強い感染力を持っているとされています。

今後も、インフルエンザと同じように新型コロナウイルスも変異を繰り返し、開発されるワクチンに対抗してくるかもしれません。

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reference: livescience / written by katsu
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