ブドウ味の「イチゴ」をつくる研究がおもしろい

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Credit:MARTHA ASENCIO-RHINE | Times
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  • ブドウ味の新種イチゴがつくられる
  • 「ブドウ味のイチゴ」は、ブドウに含まれる成分を自然に生産する

様々な研究によって広がる、植物や果物の多様性。

近年でも、フロリダ大学ガルフコースト研究教育センターのヴァンス・ウィテカー氏によって多種多様なイチゴがつくられています。

その中でも異彩を放っているのが「ブドウ味のイチゴ」です。

一体どのようにして作られたのでしょうか? そしてお味は…?

彼の研究に関する詳細は「Tampa Bay Times」に掲載されています。

イチゴの味をブドウに変える

ウィテカー氏の研究所では、多種多様なイチゴが栽培されています。彼の熱心な研究により、新種が次々に生み出されています。

「ブドウ味のイチゴ」もそのひとつです。新種開発中なため、このイチゴにはまだ名前がありません。

「ブドウ味のイチゴ」の見た目は、通常のイチゴとさほど変わりません。熟したものは濃いルビーレッドをしています。

Credit:depositphotos

しかし、一度口に入れると、キャンディーを舐めているかのような感覚になります。ジューシーで、口いっぱいにブドウの味が広がるのです。

ブドウキャンディーやブドウジュースのような人工的でどこか懐かしい味だと感じる人も多いでしょう。

そのように感じる理由は、「ブドウ味のイチゴ」に含まれる独自の成分にあります。

「ブドウ味のイチゴ」は「アントラニル酸メチル」を自然に生産するようになっており、この成分はブドウの一種である「コンコード」にみられるものと同じです。

「コンコード」は生食のほか、果汁飲料やジャム、醸造用に加工されます。また、コンコード果実に含まれるアントラニル酸メチルは、人工着香料としてブドウ味のソフトドリンクやキャンディーなどに使用されてきました。

わたしたちが味わってきたジュースやキャンディーの「ブドウ」風味が、イチゴから溢れてくるのです。なんとも不思議な体験でしょう。

Credit:MARTHA ASENCIO-RHINE | Times

この新種のイチゴは、ヨーロッパ産のフライズ・デ・ボワ(森のイチゴ)の交配によって作り出されたものです。

大学は、作成したイチゴが遺伝子組み換えではなく、伝統的な育種技術の結果であることを指摘しています。

その手法とは、「花粉をあるイチゴ植物の花から別の植物の花に移動する」というものです。研究者たちは選択的にこれを行うことで、子孫に意図的に特性を受け継がせているのです。

ウィテカー氏はこの方法で、「ブドウ味のイチゴ」以外にも、「白いイチゴ」や「大きなイチゴ」「長持ちするイチゴ」などをつくってきました。

ウィテカー氏がつくった白いイチゴ / Credit: MARTHA ASENCIO-RHINE | Times

研究所には、毎年1万本もの苗木が運ばれてきます、しかし、実際に新しい品種になれるのは3万本に1本の割合です。

ウィテカー氏の忍耐強い研究によって、新しくて不思議なイチゴが生まれているのです。

ストレスを感じた植物は「超音波の悲鳴」をあげる

reference: tampabaytimes / written by ナゾロジー編集部
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