繊維が最も保水性を発揮する角度は「36°」

science_technology 2018/04/04
Credit: Pixabay / ビャクシン

早朝の林で、露の降りた木々の葉を見てみましょう。イトスギやビャクシンの細いV字の葉の隙間に、水滴がまるで重力に逆らうようにぶら下がっているさまを見ることができるかもしれません。新たな研究で、V字の繊維が最も液体を保持できる角度が36°であることがわかりました。

では、どうやって36°とわかったのでしょうか?

ユタ州立大学などの研究員らは、実験で特別に組み上げた装置を使いました。まず、硬い円形の型枠の端から端まで、水平にナイロン繊維を渡します。その繊維の中央により細い繊維を取り付けて、上の方向に引っ張って逆V字を作ります。V字の角度は、引っ張る繊維の位置を変えることで自在に調節できるようになっています。作ったV字の角にマイクロピペットを使って、液体を液滴が繊維から離れ落ちるまで徐々に加え、その様を高速撮影しました。そして映像と詳しいデータを解析し、数学的なモデルを作ったのです。

その結果、最も水分を保持できる角度が36°であることを突き止めました。この角度で保持できる水分量は、なんと水平な繊維が保持できる量の3倍です。

「我々は世界で初めて、折り曲げた繊維が最も液体を保持できる正確な角度を突き止めました。この研究は、多くの工業的な応用が見込めます。たとえば、製薬やマイクロ流体学を使った製造技術などです。また、乾燥した地域で有名になりつつある、より効率的な霧収集ネットの開発にも有用です。逆に、この研究はより効率的な除湿機の設計にもインスピレーションをあたえるでしょう」と、筆頭著者であるタッド・タルスコット博士は語りました。

もちろん、自然界の水滴にインスパイアされた研究者はこれが初めてではありません。古の詩人杜甫は、「重い露の玉と滴り」の観察を記録しています。小説家であり詩人のジュール・ルナールも125年前に同様の観察をしたためています。タルスコットは言います。「私たちの研究室は異なる文化から集まった科学オタクからなっていますが、皆、文学や芸術への情熱も持っているのです」

 

via: Science Daily/ translated & text by Nazology staff

 

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