- 盗まれていた2000年前の投石弾が、15年ぶりに匿名で返還される
- 犯人の返還理由は「コロナ騒動で世界の終末を感じ、良心に従いたいと感じた」とのこと
イスラエル考古学庁(IAA)は、16日、「15年前に盗難被害に遭っていた約2000年前の投石弾が返還された」と発表しました。
返還した匿名の男性は、投石弾を盗んだ本人とのこと。
返還理由については、同封した手紙で、「世界の終末が近づく今、自分の良心に従い、15年間の罪を償いたい」と述べています。
どうやら男性は、コロナ騒動で荒れる世の中に直面して世界の終わりを感じ、投石弾を返す決心がついたとのことです。
投石弾は「エルサレム陥落」の時のもの
IAAの考古学者ユヴァル・バルーフ氏によると、返還された投石弾は、2000年近く前のエルサレム陥落時に、ローマ軍に使用されたバリスタの石弾であるとのことです。
エルサレムのユダヤ人と古代ローマ帝国との間で勃発した「ユダヤ戦争」は、西暦66〜73年まで続きました。
そして、西暦70年に起こった「エルサレム攻囲戦」にて、バリスタが使用され、66年以来ユダヤ人の反乱軍が立てこもっていたエルサレムが陥落したのです。
バリスタは、ターゲットとなる要塞を包囲した軍隊に用いられる古代のミサイル兵器で、投石により壁を破壊します。
エルサレム攻囲戦では市街のほかに、聖地のエルサレム神殿も破壊されました。
生き残った一部のユダヤ人は、73年に玉砕するまで戦い続けたそうです。