まるで少年漫画!? カエル vs ヘビでは先に動いたほうが負け

animals_plants 2020/04/02
credit: pixabay
point
  • ヘビとカエルが睨み合うのは相手の出方を伺っているから
  • 先手必勝だけが生き抜く術ではない

「ヘビに睨まれたカエル」ということわざを聞いたことはないでしょうか。苦手なものの目の前で、身がすくんでしまい動けなくなる様子の例えです。

ヘビ(捕食者)に出会ってしまったカエル(被食者)にとっては、すぐに逃げることが最もうまく生き残る術であると思うかもしれません。しかし話はそう簡単ではないようです。

この行動について京都大学理学研究科博士課程学生の西海望氏らが、カエルの身がすくんでしまうはお互いの動きを伺っているからであるということを明らかにしました。

どうやらカエルとヘビは、自分から攻撃を仕掛けずにカウンターを狙っているようです。

研究の詳細は、3月10日付けで「Canadian Journal of Zoology」にオンライン掲載されています。

A game of patience between predator and prey: waiting for opponent’s action determines successful capture or escape
https://www.nrcresearchpress.com/doi/abs/10.1139/cjz-2019-0164

一度跳んだら手遅れに…放物線はヘビに見切られる

被食者と捕食者は食べる食べられるの攻防を通して、ともに進化してきました。そのためお互いに多くの戦術を持っています。一般的に捕食回避するための戦術は先手が有利であると考えられていました。しかし冒頭のことわざにあるようにカエルは先手を取らないのです。

今回の研究では実験室内でトノサマガエルとシマヘビを対面させ捕食の動作をビデオで撮影しました。そのビデオからカエルの回避行動には先手を取ると決定的に不利になる特徴が見つかりました。

カエルが跳んで逃げるとき、ジャンプの軌跡が放物線を描くのです。

一度地面を離れるとカエルに働く力は重力のみになります。つまりカエルは空中で進路を変えることができません。その結果ヘビに動きを見切られ捕食されてしまいます。

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そのため先手をとって飛ぶことがカエルの残存性を低下させるのです。

ヘビにとって攻撃後0.4秒の隙は大きい

さらにヘビにも同じように先手が不利になってしまう動作がありました。カエルを捕食するために首をまっすぐに伸ばす動きです。

ヘビは手足がないため身体をニョロニョロとくねらせて移動します。首がまっすぐに伸びた状態では動き出すことができないのです。

首が伸びた状態から再び移動を開始するまで0.4秒かかってしまいます。野外観察によって0.4秒あればカエルは水辺の安全圏に到達できることが確認されています。よって先手をとるよりもカエルが跳ぶのを待ったほうが、捕食できる可能性があがります。

すぐに逃げるが勝ちだとは限らない

先手は不利なのでカエルとヘビはお互いに後手へ回ろうとします。その結果1時間近くもにらみ合いを続けることがあるようです。

にらみ合いを続けている間、ヘビは自分の攻撃がヒットする可能性を高めるためにカエルに近づいていきます。またカエルはヘビの攻撃を避けられる距離ぎりぎりになるまでヘビの出方を待ちます。

すべての勝負は初撃で決まる。

まるで少年漫画のような高度な読み合いをカエルとヘビは行っているのですね。

とんでもない勢いで「毒」をお腹から噴射する甲虫がスゴイ

reference: 京都大学 / written by ナゾロジー編集部
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