人間の思うままに操れる「サイボーグマウス」の技術がスゴイ…!

technology 2018/04/04

人間が思いのままマウスを操るという、SFチックで信じがたい実験動画が公開されています。

韓国の国立大学KAISTの研究チームは、脳の神経細胞に光を与えることで、マウスを自在に操作する実験を行いました。実験は、マウスの脳の神経細胞へ「目の前のボールを追いかける」よう命令を与えることで、指示通りの行動を促すもの。結果、マウスはほぼ人間の操作通りに動き、様々な障害物もなんなく乗り越えることができました。

では、実際に実験の様子を見てみましょう。

まずマウスを操作するために、脳に信号を送る役割を担うLEDとボール、そしてその位置を調整するモーターをマウスの頭部に取り付けます。ボールは左右に動くことで、ボールを追いかけようとするマウスの動きを調整するものです。

 

実験を行うフィールドには、ジグザグルートやお色気エリア(メスのねずみが待ち構えています)、進路が見えない場所、起伏が激しい場所、坂道、エサ、ゴール直前には細長い橋など、たくさんの障害があります。

 

光制御を受けたマウスがスタートすると、ジグザク地点をするすると通過!いったんお色気エリアで気を奪われかけますが、無事クリアです。

 

路地の見えない場所を最短距離でくぐり抜けます。足元が凸凹しているところではつまづきながらも、歩みを進めています。

 

網状の坂を上り、エサに飛びつくかと思われるところも通り抜け、そのまま橋を渡ってゴールに到着しました。

スタートからゴールまでの時間は30秒を切り、ほぼ寄り道すること無く命令に忠実に動いています。光制御のないマウスの場合では、障害物に足を取られてゴールまでたどり着くことができません

光とボール両方の制御があるときと、それぞれどちらかの制御がないときのマウスの経路と比べると、その違いが一目瞭然です。

制御されているマウスは無駄な動きがなく、制御が欠けている場合では渡れなかった橋を渡っています。これを見るに人間はマウスの動きすら手中に収めたといっても過言ではないでしょう。

Credit:nature/図の線がマウスの経路で色が速さ。左からボール制御のみ、光制御のみ、ボールと光の制御時の図

今回の実験では、マウスの制御は光遺伝学と呼ばれる光でタンパク質を制御する技術を用いています。この技術は、光を感じるタンパク質である光活性化タンパク質によって動物の遺伝子を操作することで、神経細胞に発現させています。その神経細胞に光を当てることで、神経の活動をコントロールすることができるのです。

研究者は、この研究が人間における神経障害の理解に繋がるとし、また災害などで進入不可能な地域の動物の派遣や軍事目的での偵察などに用いられると考えています。

また研究チームのキム・ヨンデ・スーは、「動物は人間が手を加えなくても生きていけます。また、複雑な環境下でも移動が可能です。そして、ロボットにあるバッテリーを考える必要がありません」と説明しています。

 

動物だけでなく、人間までも操れそうな、ちょっと末恐ろしいこの研究。今後どう実用化されていくのか、気になるところです。

 

via:Mother Board/ translated & text by Nazology staff

 

関連記事

謎だった「回る卵が起き上がる現象」が解明されたので、実際にやってみた

紅茶も牛乳に戻っちゃう。 2種類の液体をレーザーで分離できる技術を発見

脳にAIを埋め込んで「気分を変える」実験が行われる(米研究)

 

SHARE

technologyの関連記事

RELATED ARTICLE