地球最長の生物「アポレミア」を発見! 数百万の個体が合体した深海生物の神秘

animals_plants 2020/04/09

Credit: twitter/Schmidt Ocean
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  • オーストラリアの沖合で、地球上で最も長い生物が発見される
  • 全長は120メートルを超えていると推定される
  • これで1匹ではなく、数千〜数百万単位の個体が合体してできている

オーストラリア沖合の海中で、巨大なリング状の生物が発見されました。

これは「アポレミア(Apolemia)」と呼ばれるクダクラゲ目の1種で、白いヒモ状の体を巻くようにして浮遊しています。

しかし、この生物はこれで1匹ではなく、数千〜数百万単位の個体が集まって1つの巨大な生物となっているんだとか。

しかも、すべての個体は、別個の器官として異なる機能を担っており、それぞれの仕方でコロニー全体に役立っているのです。

発見は、複数の研究機関の国際チームである「Ningaloo Canyons Expedition」により報告されています。

地球上で最も長い!

研究チームは、ROV(遠隔操作型の無人潜水艦)とソナーを使って、オーストラリア西部の沖合を調査中に、この生物を発見しました。

同チームのネリダ・ウィルソン氏は「生物がROVカメラに映ったとき、居合わせた全員が驚きました。他の研究員も一目見ようと、コントロール室にやってきてモニターに見入りました。

クダクラゲはよく知られた生物ですが、これほど巨大で長いものは初めてです。地球上にいるどの生物よりも長いことは明らかでしょう」と話します。


一番外側の円周だけで約47メートルに達しており、直径が14メートル、 トータルの長さは120メートルを超えていると推定されています。

よく見かけられるクダクラゲは、数十センチから長くて数メートルなので、これがどれだけ規格外のサイズなのかが伺えます。

また、研究員によると、発見されたクダクラゲの年齢は、少なくとも数十年、最大で百年は超えているとのことです。

One for All, All for One

クダクラゲは、今回のアポレミアも含めて、無性生殖によりクローン増殖します。

基本的には、全員が繋がっているヒモ状の軸の何ヶ所かで、出芽するように個体が生まれます。主な生息域は沖合や深海で、水面に出てくることはほぼありません。

たまに波が静かな時に比較的浅い場所に浮かんでくることはあるそうです。

そして、コロニーに属する個体たちは、別々の器官として働きます。ある部分は、食料採取係としてトゲのある触手やエサを惹きつける赤いルアーのような部位を持ち、ある部分は、生殖や海中移動に特化しています。

Credit: twitter/Open Ocean Exploration

また、エサを摂取した個体は、全員が繋がっている軸に栄養素だけを流すことでエネルギーを共有します。

この軸は、メンバー全員に送られる神経シグナルの伝達回路としても機能しており、移動する時は、数千〜数百万の成員が協力して移動モードにトランスフォームするそうです。

ちなみに、動画内の状態は、食料採取のために海底へ移動する際の移動モードにあります。

こうして、それぞれが自分の仕事をこなしながら、また、全体は1つの大きな共同体として行動します。

まさに「One for All, All for One(ひとりはみんなのために、みんなは1つの目的のために)」の精神を持った生物と言えるでしょう。

 

reference: sciencealertnewsweek / written by くらのすけ
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