- 2018年からコンゴで拡大していたエボラ出血熱の流行が、ついに終息へ
- エボラの拡大を国内に封じ込めたこと、非感染者へのワクチン接種を徹底したことが鍵となった
世界中が新型コロナウイルスに揺れる一方、アフリカ中部のコンゴ民主共和国では、エボラ出血熱との戦いがまだ続けられています。
2018年8月に、同国のキブ地域で最初の症例が確認されて以来、感染者は増え続け、これまでに約3450の症例と2270名ほどの死者が出ました。
ところが、今年の2月17日以降、国内での新たな感染者は報告されていません。
WHO(世界保健機関)は「このまま状況が安定し続ければ、4月12日に終息宣言を行う」と報告しました。
世の中が暗澹としたムードに包まれる中、希望の湧く知らせです。
コンゴ国内での「封じ込め」に成功
エボラ出血熱は、1976年にアフリカ中部で初めて発見されたウイルス性感染症です。
主に、感染者の体液(血液、分泌物、嘔吐物、排泄物)に触れることで感染します。初期症状は、倦怠感や発熱、頭痛などで、悪化すると嘔吐や下痢、激しい腹痛が伴います。
さらに重症化すれば、臓器の機能障害や全身からの出血が見られ、死に至ります。
致死率は、平均50〜60%と非常に高いことで有名です。ウイルスによって異なりますが、高ければ90%にもなると報告されています。
最も大規模な例は、2014〜16年にかけて西アフリカで発生したもので、数カ国に拡大し、合計1万千人以上の死者が出ました。
対して、今回のコンゴ・キブ地域でのアウトブレイク(集団感染)は、国内に限定されています。
当初は、社会的な情勢不安や市民の反発が早期封じ込めの妨げにもなりましたが、医療グループの奮闘により、コンゴ国内での封じ込めに成功しました。