ダイレクトリプログラムに使われた5つの小分子と3つの添加物には、身近なアレも入っていた

日本の山中教授は4つの因子を制御させることで体の細胞を万能細胞へと変えましたが、今回の研究では主に5つの小分子の「カクテル」と3つの添加物を加えることで、皮膚から視覚への細胞のリプログラムに成功しました。
これらの成分の中には、思いもよらない身近な化学物質も含まれていました。
上の図は何日目にどの分子を加えるかを示した「レシピ」になります。
レシピによれば、この5つの小分子は、バルプロ酸(V)・CHIR99021(C)・RepSox(R)、フォルスコリン(F)、IWR1(I) となります。
この中にあるフォルスコリンはダイエットサプリとして売り出されている「フォースコリー」と同じ成分です。

なかには、ダイエット目当てで飲んだ人もいるかと思います。
また追加で加えられた3つの添加物の中には、疲労回復効果があるタウリン(S)やビタミンA誘導体であるレチノイン酸(R)といった栄養ドリンクや栄養サプリにもよく入っている成分がありました。
それ以外の物質は身近とは言えませんが、決して珍しい成分ではありません。
しかし、私たちの胃袋に目ができていないのは、これらの物質を適切な配合で使う必要があったからです。
研究者たちは、この適切な配合を決定するために、研究時間の多くを費やしました。