地雷に触れると色が変わる「地雷探知植物」を遺伝子操作で開発

animals_plants 2020/04/27
Credit: newatlas

現在、世界には1億を越える地雷が埋められています。

さらに、年間1000万個の地雷が生産されており、備蓄だけですでに1億個はあると言われています。撤去作業は常に命がけです。

1975年以降、一般市民も含め、100万人以上が死亡、または四肢欠損などの重傷を負っています。地雷を安全に撤去する試みとして、犬やマウスを使った地雷探知の方法が模索されてきました。

しかし、命を危険にさらすことに変わりありませんし、訓練期間や経費などもかさみます。

そんな中、ここ十数年ほどの研究で、「植物」を使った新たな地雷探知法が注目を集めているのです。

地雷に反応して葉っぱが変色する

最初に地雷探知植物が開発されたのは、2004年のこと。

デンマークの企業「Aresa」が、コペンハーゲン大学の協力のもと、地雷に触れると色が変わる植物を遺伝子操作で開発しました。

用いられたのは、「シロイヌナズナ(thale cress)」というアブラナ科の植物です。

シロイヌナズナ/Credit: ja.wikipedia

具体的には、シロイヌナズナの根っこが、地雷の放つ二酸化窒素を吸収すると、約3〜5週間で葉っぱが緑から赤に変色するのです。

方法としては、上空からシロイヌナズナのタネを散布して、成長するまで放置します。

すると、一面に咲いた花の中で赤色のシロイヌナズナがあれば、その下に地雷が埋められているのが分かるのです。

実験にて変色に成功/Credit: nature

また、シロイヌナズナは、タネをまいてから花を咲かすまでの期間がわずか6週間と短いことも大きな利点です。

時間もかからず、成長するまで放置しておくだけで、広範囲の探知作業が行えます。

科学アドバイザーとして開発に参加したカーステン・マイヤー氏(コペンハーゲン大学)は「目視で簡単に確認できるので、安全面でも非常に有益でしょう」と話しています。

このままでは地雷は3100年までなくならない⁈

Credit: depositphotos

手作業での地雷撤去は、慎重に進めないと命にかかわることもあって、非常に時間がかかります。

ひとりの作業員が1日に探知できる範囲は、2平方キロメートルが限界です。

しかも、地雷は、撤去される以上に、埋められるスピードの方が早く、世界各地で増える一方です。

ある専門家は「地雷の設置がなくなったとしても、現在のペースで撤去が続くなら、3100年まで地雷はなくならない」と指摘します。

つまり、従来の手作業では、いつまでたっても地球から地雷はなくなりません。

そのためにも、植物による地雷探知は有効でしょう。

地雷は、罪のない子どもたちの未来を奪っています。地雷の踏んだ子どもの半数は、病院に搬送される前に命を落とし、一生涯つづく障害を負った子どもは、現在でも30万人以上存在します。

こうした現代人の負の遺産を後世に残すことは決して許されないのです。

前代未聞の「爆発物探知バッタ」が誕生する

reference: naturenewatlas / written by くらのすけ
あわせて読みたい

SHARE

TAG