スイングバイで水星へ向かう探査機が地球に別れを告げる映像がエモい

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Credit:ESA/BepiColombo/MTM, CC BY-SA 3.0 IGO

宇宙から地球を撮影した画像は、通常軌道上から撮影しているので、似たような距離と角度の場合がほとんどです。

しかし、今回はちょっと変わった位置から地球をみた映像が公開されました。

日欧共同水星探査機「ベピコロンボ(BepiColombo)」は、地球スイングバイで水星へ旅立つ際に、離れた場所から地球へ接近して通り過ぎる様子の映像を撮影しています。

宇宙を旅しながら眺める地球の姿は、普段とは違った魅力を伝えてくれるものです。

さらば地球よ

電気推進モジュール(MTM)に搭載されたモニタカメラ(MCAM)が地球最接近時に捉えた地球の姿。/Credit:ESA/BepiColombo/MTM, CC BY-SA 3.0 IGO

この画像は、日欧水星探査機ベピコロンボがスイングバイ前に地球へ接近している様子を撮影したものです。

2020年4月9日の11時25分(UTC)から21時04分(UTC)までを、10分間隔で撮影していて、このときのベピコロンボの速度は時速10万km以上です。

この映像の間だけで、探査機と地球の距離は28万2千kmから12万8千kmまで減少しています。

モノクロとは言え、徐々に近づく地球の姿は、見慣れた地球の映像とはまた違った美しさがあります。

Credit:ESA/BepiColombo/MTM, CC BY-SA 3.0 IGO

こちらは地球へ最接近して通り過ぎる際の映像。

時刻は2020年4月10日の03時03分(UTC)から04時15分(UTC)の間で、数分間隔で撮影しています。地球との距離は12,689kmです。

Credit:ESA/BepiColombo/MTM, CC BY-SA 3.0 IGO

最後は、探査機が地球に最後の別れを告げて離れていく様子。

4月10日17時13分(UTC)から2020年4月11日13時19分(UTC)を10分間隔で撮影しています。地球との距離は約21万8千kmから52万4千kmまで離れて行きます。

もっとも離れた最後のところでソーラーパネル先端の上辺りに、とても小さく月も映っています。おわかりいただけただろうか。

地球スイングバイ航法

「どういう状況なの?」という人たちのために少し説明しておくと、この映像は探査機が水星の軌道へ向かうために地球の重力を利用して軌道を曲げているときの様子です。

これをスイングバイ航法と呼びます。

探査機が実際に打ち上げられたのは2018年10月19日のことで、それから1年以上かけて、探査機は地球軌道をグルっと回って地球に最接近し、地球の重力を利用してもっと内側の太陽系軌道へ移動しているのです。

地球スイングバイの概要。/Credit:ESA

このあとベピコロンボは金星の軌道に乗り、今度は金星の重力を利用したスイングバイによってさらに内側の水星へと向かう予定です。

金星では2回のスイングバイが必要で、水星でも軌道に安定して乗るために6回のスイングバイを行うそうで、最終的にベピコロンボが目的の水星に到着するのは、2025年12月になるとのこと。

長い旅はまだ始まったばかりで、彼が地球を見るのは今回の映像が最後です。「さようなら、頑張って」と応援したくなりますね。

国際水星探査計画「BepiColombo」は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)および欧州宇宙機関(European Space Agency, ESA)の協力で行われている大型ミッションです。

この探査機には、JAXA担当の水星磁気圏探査機「みお」と、ESA担当の水星表面探査機「MPO」が搭載されています。

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reference: sciencealert,ESA,JAXA/ written by KAIN
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