直撃したら即死? 23cmを上回る雹(ひょう)が史上最大記録か(アルゼンチン)

geoscience 2020/05/02
Credit: Victoria Druetta

2018年2月8日、南米・アルゼンチンの都市ビラ・カルロス・パスの上空を、雷雨をともなう巨大な積乱雲が襲来。そして巨大な雹(ひょう)のつぶてが、人通りの多い街に次々と落下したきたのです。

それは頭部に直撃すれば命の保証はできない大きさでした。

以来、ペンシルベニア州立大学(米)は、採取された雹のサンプルや撮影された映像をもとに研究を続けています。

彼らが最近発表した調査結果によると、雹の最大直径は23.7センチに達し、観測史上最大のサイズである可能性が高いというのです。

直撃すれば即死レベル…

実際に撮影された映像がこちらです。

この中の最大サイズが直径23センチを上回っているといい、身近なもので言うと、週刊少年ジャンプの縦の長さに匹敵します。

一方で、研究チームのマシュー・クムジアン氏は「最大数値は、直接観測されたものではなく、映像とサンプルの一部を総合して割り出されたもので、断定はできない」といいます。

実際に採取されたサンプルは、こちら(と一番上の画像)です。

Credit: Victoria Druetta

これは直径が18センチに達していますが、それでも落下の衝撃で一部が欠損しているため、落下前はもっと大きかったでしょう。

実際の映像を見ていると、映画『デイ・アフター・トゥモロー』で東京を襲った雹のシーンを思い出しますね。

雹ができるには?

雹が降るには、雷雨をともなう巨大な積乱雲が必要です。

積乱雲ができると、地面から上空に向かって吹く上昇気流にのって、水蒸気が雲まで運ばれます。

水蒸気は雲の中を上昇するにつれて冷やされ、水滴や氷の粒になります。それが次第に大きくなると、重みで落下します。

ところが、雲の下まで来ると、再び上昇気流によって雲の上まで吹き上げられ、氷の粒を大きくしていきます。これが繰り返され、上昇気流でも吹き上げられない重みまで達すると、地上に落下してくるのです。

一般的に、直径が5mmを超えるものを雹、それ以下を霰(あられ)と呼びます。

Credit: ja.wikipedia

しかし、アルゼンチンで見られたサイズまで巨大化することはきわめて稀で、相当な大きさの積乱雲が必要になります。

雹は、言うまでもなく、大きくなるほど危険です。

車をへこませるには10円玉の大きさがあれば十分ですし、10センチを越えれば、農作物や街の重要文化財に甚大な被害を与えます。また、ケガや命を奪う危険性もあるでしょう。

人の命を守るためにも、雹発生の予測技術の進歩が急がれています。

 

研究の詳細は、4月6日付けで「Bulletin of the American Meteorological Society」に掲載されました。

 

reference: sciencealertscitechdaily / written by くらのすけ
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