意外な事実。太陽は過去9000年間、他の同サイズ恒星と比べて極端に活動していなかった

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Credit:depositphotos
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  • 木の年輪や氷に含まれるベリリウムなどの調査から、太陽は過去9000年に渡ってほとんど変動が無いことがわかった
  • これは太陽とほぼ同じ条件の、サイズ、温度、年齢などの星と比較した場合に、極端に大人しい状態である

私たちにとってもっとも明るい天体であり、古来より様々な神様に例えられてきた偉大な星「太陽」ですが、どうも太陽は宇宙規模で見た場合、極端に大人しい星であるようです。

新たな研究で、太陽と同程度の規模の恒星の活動状態について調べた結果、太陽以外の似たような恒星は非常に活発に活動を行っていることがわかりました

太陽は他の星から見れば、とてもおとなしいのかもしれません。

星の活動量

太陽など恒星の活動は、表面の磁場の状態から測ることができます。

磁場が活発な場所は、磁力線が集まって暗い黒点となって観測できます。

太陽の黒点の様子。/Credit: University of Central Lancashire

この磁場が活発になったとき、太陽嵐と呼ばれる地球の電子機器にもダメージを与えるようなプラズマの強力な風が起こります

これは地球上の様々なものへも影響を与えます。

1610年以降、太陽の黒点については、かなり信頼性の高い記録があります。

また、木の年輪や極点の氷などに含まれる放射性炭素やペリリウムの分布から、過去9000年間の太陽活動についても調査することができます。

その結果、太陽活動のレベルは過去9000年間に渡って、大きな変動がない穏やかなものであることがわかりました。

9000年は太陽の寿命から見れば、ほんの瞬きするような時間に過ぎませんが、このような活動状態は、星としては一般的なものなのでしょうか?

太陽に似た宇宙の星たち

今回の研究者たちは、ケプラー宇宙望遠鏡が2009年から2013年の間に観測した約15万個もの主系列星(太陽同様、寿命の途中にある恒星)の明るさの変動記録を調査しました。

この膨大なサンプルから、研究者たちは、太陽と同程度の重力、表面温度などを持つ恒星を絞り込んでいきました。

特に重要なのは自転周期です。星の自転は磁場の強さなどにダイレクトに影響するもので、太陽と同程度の自転周期を持っていることが活動量を比較するためには重要な要素になります。

太陽の自転周期は地球時間で約24.5日です。そのため、サンプルからは大体20日から30日以内の自転周期を持つ星が選び出されました。

こうして最終的に調査対象の星は369個まで絞り込まれました

星の活動は黒点の数によることをさきほど触れましたが、これは星の明るさにも変動を及ぼします。黒点が増えて活動が増すと、観測される星の明るさにも変動が生じるのです。

星の明るさの変動を比較したもの。上が太陽。下は同程度の恒星。左のグラフが明るさ(活動量)の変動を表す。/Credit: MPS / hormesdesign.de

上は、太陽と同程度の恒星の比較画像です。画像の上が太陽で、下がサンプルの1つとなった恒星です。

表面の黒点の数や領域の大きさからして、だいぶ異なるのがわかりますが、注目するべきは左側に表示された明るさの変動を示すグラフです。

太陽はほとんど変化がありませんが、別の恒星では激しく明るさが上下動しているのがわかります。この明るさの変動はすなわち活動レベルの変動を示しています。

このデータは分析によると、太陽は平均の変動率が0.07%の圏内に収まっていたにもかかわらず、その他の恒星では5倍近くも変動の差があったのです。

太陽のような星のほとんどが、太陽よりもはるかに活動的であるという結果は、研究者たちにとっても驚くべきものでした。

同程度の規模の恒星がこれだけ活発であるという事実は、太陽も本来はもっと活動的であることを示しています。これがたまたま過去9000年の間、太陽が活動を弱めているだけなのか、何かもっと他の要因で太陽の活動が鈍いのかはまだわかりません。

しかし、他の恒星のような環境に地球があったとしたら、地球の周りは強い太陽嵐が常に吹き荒れているような状態になり、人類は電子機器など持つことが出来なかったでしょう。

そういう意味でも、太陽と地球は人類が生存するために奇跡的な環境だったと言えるのかもしれません。

私たちの太陽は、熱く燃え盛る激しい星に見えますが、他の仲間たちから見れば、おとなしいやつだったようです。

宇宙は場所によって物理定数が異なることが判明! 宇宙人はいないの?

reference: phys/ written by KAIN
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