ふり出しに戻る。 暗黒物質は重力以外の力では相互作用しないと発覚、観測ますます難しく

space 2018/04/06
Credit: Visual Hunt

3年前、13億光年先の銀河の観察により、暗黒物質が重力以外の力で相互作用するかもしれないということが示されました。もしこれが本当なら、暗黒物質の実体発見の手がかりを得たことになり、科学者及び宇宙好きたちはワクワクしたものです。…しかし今回詳細な調査で、この説と矛盾する結果が出てしまいました。どうやら暗黒物質の解明は、また振り出しに戻ってしまったようです。

Dark matter dynamics in Abell 3827: new data consistent with standard Cold Dark Matter
https://arxiv.org/abs/1708.04245

暗黒物質とは、宇宙で観測される物質の運動に、説明がつかない動きがあることから存在が予測されている物質で、回転する銀河を重力でまとめているとされます。しかし直接観測する方法がなく、重力レンズ効果などから間接的にその存在を予測するしかありません。

3年前にダラム大学の天文学者たちのチームは、衝突する4つの銀河の重力分布を、チリの大型望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡のデータを組み合わせて追跡しました。重力レンズ効果で暗黒物質の位置を予測したのです。3つの銀河については、その分布は通常物質の分布と一致しており、完全に予想通りの結果でした。一方、4つ目の銀河は違っているように見えました。エイベル3827銀河団にあるこの銀河では、暗黒物質は内側になく、わずかに遅れてついてきていて、まるで何かにぶつかったかのようでした。この観察から、暗黒物質は重力以外の何らかの力で相互作用しているのではないかという仮説が出てきたのです。以前Nazologyで紹介した暗黒物質の無い銀河も、もしこの力があるとすれば説明できそうです。

credit: Visual Hunt

同研究者たちはこの仮説を検証するため、もう一度アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)を使ってこの奇妙な銀河を観測し、重力分布を追跡しました。するとその結果、この銀河は暗黒物質と足並みをそろえており、以前の結果を再現できませんでした。しかも今回の研究でつかったデータのほうが解像度が高く、結果ははっきりしていたとのこと。

しかし、研究者たちはまだ諦めていません。暗黒物質の性質を明らかにし、可視化するための方法を根気よく探っていくつもりです。

 

ぜひ頑張っていただきたい…。

 

via: Science Alert/ translated & text by Nazology staff

 

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