雑草という植物は無い。植物学者が道端の植物に名前を書いて回る運動がヨーロッパで拡大中

animals_plants 2020/05/08
Credit: Jill Mead/The Guardian

現在、植物学者たちによる一風変わった運動が、ヨーロッパを中心に広がりつつあります。

その運動とは、チョークを使って、道端の草花ひとつひとつに名前を書いて回るというもの。

これは、ロックダウン中に暇を持て余した末の行動…というわけではなく、植物学者ならではのれっきとした目的がありました。

「雑草」と呼ばないで…

フランスから始まったこの運動は、SNSなどを通して、イギリスまで拡散されています。

発起人でもあるフランスの植物学者ボリス・プレセク氏は、運動を始めるきっかけについて、「普段は見過ごされている草花に目を向け、それぞれに名前があることを知ってほしかった」と話します。

確かに、小道やアスファルトの継ぎ目から生えている草花は、すべて「雑草」の一言で片付けてしまいがちです。

道ゆく人には見向きもされず、踏んづけられることも多々あるでしょう。「そんな状況を変えて、身の回りの草花に興味を持ってほしい」とプレセク氏はいいます。

ボリス・プレセク氏(左)と生徒たち/Credit: Claire Van Beek/Handout

運動の反響は大きく、「草花に対する意識が変わった」と言ってくれる人も多いそうです。

また、複数の学校からは「都市の自然を学ぶため、生徒にも参加させて欲しい」との連絡もありました。

上の画像は、その際の様子です。

雑草魂はイギリスまで波及

チョーク運動は海を越え、イギリスまで届いています。

同国在住のフランス人植物学者であるソフィー・レグイユ氏は、都市部での野生植物に対する意識を変えてもらうため、「More Than Weeds」という活動を始めました。

イギリス国内では、許可なく道路上にチョークで落書きすることは法的に禁止されています。

そこでレグイユ氏は、ロンドンのハックニー自治区に申請をし、同地区の一部道路での活動許可を取得しました。

ソフィー・レグイユ氏/Credit: Jill Mead/The Guardian

ハックニー自治区は、自然保護活動を推進している地区でもあり、これまでにも農薬の使用量を制限して、野生植物や昆虫の生態系を保護する活動を進めています。

ハックリー地方議会のジョン・バーク議員は「運動が違法になるのはおかしいでしょう。これは植物に興味のなかった大人や子どもにとって、刺激的な教育ツールとして歓迎すべきものです」と述べています。

Credit: Jill Mead/The Guardian and Handout

また、イギリスの植物保護団体「Plantlife」のトレヴァー・ダインズ氏も「運動を始めて以来、市民の方々から信じられないほど大きな反響を受けています。まるで野生植物たちの思いが通じたかのようです」と話しています。

日本でも壁や道路への落書きは処罰の対象となりますが、これを機に道端の草花に目を向けるのもいいかもしれませんね。

Credit: Jill Mead/The Guardian

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reference: theguardian / written by くらのすけ
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