長さ300万光年の「銀河橋」はブラックホールのせいで歪んでいたことが判明

space 2020/05/13
ESA、NASAなどのデータを総合した画像/Credit: scitechdaily

地球から「やぎ座」の方角に12億光年離れた先に、「Abell 2384」という超巨大天体があります。

これは2つの銀河団、A2384(N)とA2384(S)が衝突してできた高温ガスの集まりで、銀河団同士をつなぐように存在することから「銀河のロングブリッジ」と呼ばれています。

今回このロングブリッジについて、ESA(欧州宇宙機関)のX線観測衛星・XMM-Newton、NASA(アメリカ航空宇宙局)のチャンドラX線観測衛星のデータ分析から、新たな事実が発覚しました。

ロングブリッジは銀河団に属する超大質量ブラックホールのジェット噴出によって、大きく歪められていたというのです。

研究は、南アフリカ電波天文台(SARAO)および同国・ローズ大学により報告されています。

長さは300万光年!重さは太陽の260兆倍‼️

Abell 2384の特徴は、とにかく巨大であることです。

そもそも衝突した2つの銀河団自体が大きく、それぞれ数百〜数千個の銀河が集まってできています。数百万度に達する高温ガスを大量に含み、目には見えない暗黒物質も膨大に抱えているようです。

しかし衝突の結果、双方の銀河団から大量の高温ガスが放出され、間に架け橋のようなガス天体が形成されました。

ESAとNASAのデータ画像/Credit: scitechdaily

X線で青く輝く光の上下に2つの銀河団が位置し、それをつなぐように伸びるのがAbell 2384です。

なんと長さは300万光年に達し、重さは太陽質量の260兆倍だとか。

…と言われても、実感すら湧かない長さですね。

ブラックホールのジェット噴出が橋を曲げていた

そして今回、ESAとNASAの観測データから、超大質量ブラックホール(画像中の黄緑)が、Abell 2384の下方に発見されました。

これは、下側の銀河団に属する銀河の中心部に位置するもので、太陽の6兆倍の質量を持っています。

ブラックホールから噴出するジェットは非常に強力で、ロングブリッジを歪めるほどです。

インドにあるGMRT(巨大メートル波電波望遠鏡)のデータ画像/Credit: scitechdaily

銀河団の衝突面(Collision Site)を見ると、ジェットが下方からガスを押し込んでいるのが分かります。研究チームによると、このジェット噴出が衝突面のガスを高温に保つことで、冷却化による新たな星の形成を妨げているそうです。

またコンピューターシミュレーションの計算では、銀河団の衝突が起きたのは数億年前。衝突後は、双方の銀河団が振り子のように振れることで、何度かお互いを通り過ぎました。

現在もまだロングブリッジがつないでいる状態で、直接合体してはいませんが、いずれ一つにまとまり始めるとのことです。

Abell 2384は、銀河団の成長メカニズムを知るための貴重な手がかりであり、今後も天文学者たちの熱い視線が注がれます。

 

研究の詳細は、「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」に掲載されました。

月面で発見された、あるはずのない「巨大橋」とは

reference: scitechdailysci-news / written by くらのすけ
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