15世紀のイングランド王「ヘンリー7世」の顔をデスマスクから復元した結果

history_archeology

Credit: ancient-origins

日々進歩を遂げるデジタル技術によって、これまで数々の歴史的人物の顔が復元されてきました。

今回はアイルランド在住のグラフィックデザイナー、マット・ローリー氏(41)により、ヘンリー7世(1457〜1509)の顔を復元した画像が公開。

ヘンリー7世は、テューダー朝(1485〜1603)時代のイングランド王として知られています。

復元された顔は、死後にかたどられたデスマスクをもとに作られたものです。

ちょっと怖いかもしれませんが、これまでは肖像画でしか見れなかった顔も、リアルな写真で見ると急に親近感を覚えるかもしれません。

とは言っても「ヘンリー7世ってだれ?」と思う人が多いでしょう。実は彼、結構すごい人なんです。

「ヘンリー7世」はどんな人?

とは言っても、「ヘンリー7世ってだれ?」と思う人が多いでしょう。

テューダー朝は、イギリス史において最も激動の時代のひとつとして知られますが、残念ながら、その国王として一般認知度が高いのは、ヘンリー8世やエリザベス1世の方です。

ヘンリー8世(7世の息子)は、男児を産まない妻と別れたいがために、時のローマ教皇を無視して、国王が離婚するための法律を勝手につくった無法者でしたし、エリザベス1世は、「私はイングランドと結婚した」と宣言して、生涯独身を貫いたことで有名です。

また、スペインの無敵艦隊を打ち破ったのも彼女でした。

ヘンリー8世/Credit: ja.wikipedia
エリザベス1世/Credit: ja.wikipedia

彼らに比べると知名度の点では劣りますが、何を隠そうヘンリー7世こそ、テューダー朝を築いた最初の国王なのです。

それ以前のイングランドでは、王位継承権をめぐり、ランカスター家とヨーク家が1455〜85年まで内乱を続けていました。両家ともバラを家紋にしていたので、「バラ戦争」と呼ばれます。

このランカスター家の縁者であるテューダー家にいたのがのちのヘンリ7世でした。彼がヨーク家を倒して、1485年にテューダー朝を開き、正式に国王として即位したのです。

ヘンリー7世/Credit: ja.wikipedia

彼は、ライバルのヨーク家の娘と結婚することで、両家の争いに終止符を打ちます。また、長期にわたる内乱の中で貴族が没落するのに乗じ、絶対王政を進め、国内の政治を安定させました。

24年の治世の後、ヘンリー7世は結核で亡くなりましたが、その際にデスマスクが取られていたのです。

今回の復元作業は、このマスクをもとに行われました。

肖像画とも特徴が一致

ローリー氏は、画像の着色化やデジタル編集技術を用いて、歴史上の人物の顔を復元する活動をしています。

今回のヘンリー7世は、死の直前の病苦のためか、顔がかなり痩せこけていました。

こちらが、デスマスクから復元したヘンリー7世の顔です。

Credit: Courtesy of Matt Loughrey / My Colorful Past

高くて長い鼻と前に突き出た額が特徴的ですが、輪郭はげっそりとしています。生前はもっと肉付きがよかったかもしれません。

骨格や輪郭が忠実に再現されている一方、肌の色や髪型、眉毛などは、かなり主観的な推測が入っているといいます。

専門家の中には「ヘンリー7世はヒゲを生やしていた」とする意見もあり、それに合わせて復元パターンも変わります。しかし、ローリー氏は、復元プロセスにおいて、クリックひとつで肌色を消したり、髪型や眉毛が修正できるようにしました。

その結果、ヒゲを生やした場合は以下のようになっています。

Credit: Courtesy of Matt Loughrey / My Colorful Past

肖像画と比較してみても、鼻の形やアゴの突き出し方などはほぼ一致しています。

肖像画でしか見れない偉人の顔も、こうして見ると急に距離が近く感じられますね。

ローリー氏は、この他にも多くの復元作業を行っており、詳細は「My Colorful Past」で見ることができます。

18歳で軍の総長!? 伝説の女戦士「楯の乙女」の顔が復元される

reference: ancient-origins / written by くらのすけ
あわせて読みたい

SHARE

TAG