花粉に飢えたマルハナバチは葉に「半月型の穴」を開けることで30日も開花を早めていた

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Credit: HANNIER PULIDO

黄色と黒の鮮やかなストライプが目を引く「マルハナバチ」は、優秀な送粉者として知られます。

密に詰まったふわふわの体毛が花粉を絡めとり、植物から植物へと渡し歩くのです。

またマルハナバチにとっても、花粉は重要な食料源となっています。花の開花が遅れて、花粉が手に入らないと飢えることもあるのです。

そんな時、マルハナバチは、花を予定より早く咲かせるためにある変わった行動を取ることが、スイス・チューリッヒ工科大学により発見されました。

その方法を使えば、なんと通常より30日も開花を早められるというのです。

一体、どんな方法なのでしょうか。

葉っぱに「半月型の穴」を開ける

研究チームは、野生の「セイヨウオオマルハナバチ(Bombus terrestris)」を集め、2グループに分けて実験を行いました。

グループAには十分な量の花粉を与え、グループBにはまったく花粉を与えません。3日後、両グループを、まだ花を咲かせていない植物のある囲いの中に放ちます。

すると、満腹でほとんど何もしないグループAのハチとは違い、グループBのハチは、いっせいに葉っぱ表面に「半月型の穴」を開け始めたのです。

マルハナバチは、縦長の大きなアゴを使って器用に穴を開けていました。1個の穴を開けるのにかかる時間はわずか1秒で、その形は決まって半月型だったのです。

その結果、穴の開けられた植物は、何もされていない植物に比べ、25〜30日も早く開花することが判明しました。

「半月型の穴」を開けるマルハナバチ/Credit: HANNIER PULIDO

なぜ「半月型」なのかは不明

一方で、穴が必ず「半月型」である理由やそれが開花を早める理由は、まだ分かっていないとのことです。

同チームのマーク・メシャー氏は「レーザーなどを用いてまったく同じ穴を開けてみても、開花を早めることはできなかった」と話します。

そのため、マルハナバチは単に穴を開ける以外にも、何らかの策を講じているのかもしれません。

メシャー氏は「例えば、唾液に含まれる脂肪酸が、一部のイモムシに見られるのと同様に、開花反応を引き起こす可能性もある」と考えます。

大きなアゴを使って器用に穴を開けるマルハナバチ

一部の植物に、干ばつや病原菌にさらされることで通常よりも早く開花するケースは確認されているものの、昆虫の行動が開花を誘発するケースは今回が初めてです。

あるいは、植物の側にも原因があるかもしれません。マルハナバチに開けられた穴を認識して、開花反応を起こすシステムを発達させているとも考えられます。

もしかしたら半月型の穴は、マルハナバチから植物への「早く花を咲かせて」という秘密のメッセージなのかもしれません。

研究の詳細は、5月22日付けで「Journal Science」に掲載されました。

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reference: livesciencebbc / written by くらのすけ
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