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花粉に飢えたマルハナバチは葉に「半月型の穴」を開けることで30日も開花を早めていた

2021.01.27 Wednesday

2020.05.22 Friday

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Credit: HANNIER PULIDO

黄色と黒の鮮やかなストライプが目を引く「マルハナバチ」は、優秀な送粉者として知られます。

密に詰まったふわふわの体毛が花粉を絡めとり、植物から植物へと渡し歩くのです。

またマルハナバチにとっても、花粉は重要な食料源となっています。花の開花が遅れて、花粉が手に入らないと飢えることもあるのです。

そんな時、マルハナバチは、花を予定より早く咲かせるためにある変わった行動を取ることが、スイス・チューリッヒ工科大学により発見されました。

その方法を使えば、なんと通常より30日も開花を早められるというのです。

一体、どんな方法なのでしょうか。

葉っぱに「半月型の穴」を開ける

研究チームは、野生の「セイヨウオオマルハナバチ(Bombus terrestris)」を集め、2グループに分けて実験を行いました。

グループAには十分な量の花粉を与え、グループBにはまったく花粉を与えません。3日後、両グループを、まだ花を咲かせていない植物のある囲いの中に放ちます。

すると、満腹でほとんど何もしないグループAのハチとは違い、グループBのハチは、いっせいに葉っぱ表面に「半月型の穴」を開け始めたのです。

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マルハナバチは、縦長の大きなアゴを使って器用に穴を開けていました。1個の穴を開けるのにかかる時間はわずか1秒で、その形は決まって半月型だったのです。

その結果、穴の開けられた植物は、何もされていない植物に比べ、25〜30日も早く開花することが判明しました。

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「半月型の穴」を開けるマルハナバチ/Credit: HANNIER PULIDO

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