2012年4月、インドネシア付近のインド洋直下でマグニチュード8.6、マグニチュード8.2の地震が発生しました。
断層面に沿って地面が水平方向に移動する「横ずれ断層」型の地震としては観測史上最大を記録しています。
通常、地震は2枚のプレートがぶつかり、地中に沈み込んでいる場所の近くで起こりますが、興味深いことに今回の地震は、地震の発生場所としては奇妙な1枚のプレートのど真ん中で起こったのです。
今回、パリ地球物理研究所の調査により、このインド洋の海底下にあるプレートが真ん中で2枚に分裂していることが分かりました。
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プレートの真ん中が震源地?
インド洋下のプレートは、年間で1.7ミリメートルずつズレています。これは100万年間で1.7キロ移動する計算なので、他のプレートに比べて非常に遅い移動速度です。
ちなみに、中東の死海断層は、その約2倍の年間0.4センチの速度でズレていますし、米・カリフォルニア州のサンアンドレアス断層は、約10倍の年間1.8センチでズレています。
研究チームのオーレリー・クドゥリエ=キュヴール氏は「移動速度が遅いですが、調査対象としての重要性は高い」と話します。
地震は一般的に、ジグソーパズルのように地球を覆うプレートとプレートの間で起きます。しかし、スマトラ島沖地震の震源地は、インド・オーストラリアプレートの真ん中でした。
しかし、「この地震はまったくの想定外ではなかった」とキュヴール氏はいいます。インド・オーストラリアプレートは、一つのまとまりではなく、少なくとも3つのプレートが結びついて、同じ方向に移動していると予想されていたからです。