
- 室内でも効率的に発電可能な「影を利用した電池」が開発される
- 光と影のコントラストによって生じる電圧差で発電できる
- 適切な条件下では、太陽電池の2倍の発電効率をもつ
光と影は対象的です。多くの人はエネルギーをもたらす光にはプラスのイメージを抱きますが、影にはマイナスのイメージを抱くかもしれません。
しかし、シンガポール国立大学材料工学科のタン・スウィー・チン助教ら研究チームは影の効果を利用した発電デバイスを開発することで、影を有効利用しました。
この新たなデバイスは「影効果エネルギー発生装置(SEG)」と呼ばれ、屋内に生じる光と影のコントラストによってエネルギーを供給できます。
[ads01]
影のある場所でも充電したい
現在の私たちの生活には、スマートフォンなどのモバイル電子機器が必要不可欠です。
同時にモバイルバッテリーもあると便利ですが、大きなものを持ち歩くのは不便であり、それらも充電を必要とします。

そのため、軽くて装着しながら自己発電できる「ウェアラブル充電器」の需要が増加しています。
市販の太陽電池を用いればこの需要を満たすことができますが、影の多い屋内環境ではエネルギー回収効率が大幅に低下します。
このように影の存在は「発電の敵」とされてきましたが、新しい研究では、その影によって電力を生み出すことに成功しました。
研究チームは低コストで組み立てが簡単な影効果エネルギー発生装置(以下、SEG)を開発し、「室内照明と影によってできるコントラスト」を電力変換に利用したのです。