生きた姿をほぼ完全に保つ「恐竜のミイラ」がスゴイ

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2011年に見つかった「ノドサウルス」の化石/Credit: earthlymission

恐竜の化石発見は今やそれほど珍しいことではないので、驚きも少ないかもしれません。しかし、恐竜のミイラの化石となれば話は別でしょう。

上画像は2011年にカナダ・アルバータ州の鉱山で見つかった「ノドサウルス」の化石です。

復元作業には、実に5年の歳月(計7000時間以上)が費やされ、2017年3月にようやく、地元の「ロイヤル・ティレル古生物学博物館」で一般公開が始まっています。

驚くべきは、ほぼ完全な状態で保存された骨格以上に、なんと皮膚や消化管などの内容物が残っていることなのです。

化石は1億年前に生きていた草食恐竜

化石は地元の鉱山作業員により偶然に発見された後、連絡を受けた同博物館が復元作業を行いました。

結果、約1億1000万年前の白亜紀前期に生きていた草食恐竜のノドサウルス科に属することが判明しています。

ノドサウルスは、白亜紀(約1億4500万〜6600万年前)を通し、主に北アメリカ大陸に生息した恐竜です。

復元途中の標本/Credit: Government of Alberta

全長5.5メートルほどで、四足歩行。背中とわき腹には鎧のような皮膚が生えており、天敵からの保護の役目を果たしていました。

しかし、ひっくり返ると柔らかい腹部があらわになるため、襲撃時は、しゃがみこんでお腹を隠したのだと思われます。

ミイラになった理由とは?

化石の総重量は1360キロを超えており、「北の盾」を意味する「ボレアロペルタ」と命名されました。

生き姿をとどめているだけでなく、鎧状の皮膚を覆うケラチン(細胞骨格を構成するタンパク質のひとつ)や色素細胞のメラノソーム、消化管などの軟組織が保存されている点で非常に貴重です。

同博物館の学芸員であるドン・ブリンクマン氏は「こうしたことから、史上最も保存状態の良い恐竜の標本と言えます。それは化石を超えて、ミイラと呼ぶにふさわしいでしょう」と話します。

上から見た様子/Credit: Robert Clark/National Geographic

これほど保存状態が良い理由について、博物館の研究チームは、「ノドサウルスの遺骸が氾濫した川にさらわれて海まで流れ着き、海底に沈んで泥の中に埋没したことが原因でしょう」と述べています。

実際、人や動物の遺骸は、泥の中に埋まることで外気との接触や酸化による腐食が防がれ、綺麗に保存されることで知られています。

ボレアロペルタが再び日の目を見るまでには、1億年以上の時間がかかりました。その間にかつての海が干上がり、鉱山として露出したと考えられています。

まるで最近まで生きていたようなボレアロペルタを見ると、恐竜が確かに存在したという事実をあらためて実感できますね。

ついに恐竜の化石からDNAとタンパク質が初検出される

reference: earthlymission / written by くらのすけ
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