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刑務所で数学を学び、論文発表までした囚人の話。何事も始めるのに遅すぎることはない! (2/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.06.02 Tuesday

1日10時間に及ぶ勉強

感心したウンベルト氏は自らも取り組んでいる連分数の問題をヘイブンズに紹介し取り組むように促しました。

連分数というのは、分母がさらに分数になって、延々と続いていくような分数をいいます。

円周率などの無理数は、小数点以下が延々と続いていきますが、これを連分数で表した場合、整数のみを使って表現できるシンプルで美しい表現になります。

1枚目の画像
円周率の連分数。/Credit:en.wikipedia

ここから9年間、ヘイブンズは1日に10時間近くを勉強に費やしたとそうです。また、刑務所なので、基本的に彼は紙とペンだけを使って問題に取り組みました

刑務所ではインターネットの接続も禁じられている場合が多く、ヘイブンズの研究は手書きの用紙を画像で取り込んで、イタリアにいるウンベルト氏のもとへ転送されました。

ウンベルト氏はヘイブンズに多くの書籍も送りましたが、刑務所の認可の業者でなかったため、受け取ることができず、刑務所スタッフと協力し、数学を学ぶプロジェクトを発足させて、閲覧の許可を受けたとのこと。

そして、2020年1月、「Research in Number Theory」にヘイブンズの数論の論文が掲載されるに至ったのです。

その内容は多くの近似した連分数で規則性が見られることを初めて示したものだといいます。

数論のテーマはすぐに世の中に役立つような種類のものではありませんが、例えば暗号技術や金融などの発展に、数論は欠かせない存在となっています。

彼の研究が今後、大きな発展に寄与する可能性も十分あるのです。

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