都会のキツネは田舎のキツネより「ペット化」が進んでいると判明

science_technology 2020/06/04
Credit:STEVE DOWNER
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  • ロンドンの都会に生息するキツネは人間に慣れている
  • 都会キツネは田舎キツネとは脳の大きさや鼻の形が異なっており、これは周囲の環境に適応したことを示す
  • キツネの適応は、犬猫の家畜化の初期段階と通じる部分がある

犬や猫はもともと野生動物でしたが、歴史を通じて家畜化が進んでいったと考えられています。そして、現在では完全にペットとして扱われています。

最近の研究からすると、キツネも犬や猫と同じような道をたどるかもしれません。

英国グラスゴー大学の生物多様性・動物衛生・比較医学研究所のケビン・パーソンズ博士らの研究によると、都会に生息しているキツネには家畜化の初期段階に通じる変化があると報告しました。

人間に慣れている都会キツネ

Credit:BBC

現在、英国全土の多くの都市にはキツネが生息しており、そのキツネたちはしばしば人間を恐れません。

実際ソーシャルメディアで共有された動画には、警戒心なく人間に近づいてくる様子が収められています。

キツネがピクニックを楽しんでいた家族に近づき、サンドイッチの包み紙を食べたり、敷物の上で転がったりしているのです。

明らかに人間に慣れてきている都会キツネたち。彼らを調べたパーソンズ氏は、通常のキツネとは異なった点を幾つか発見しました。

都会キツネは人間の周囲での生活に適応している

調査対象となったのは、ロンドンとその周辺の田園地帯で見つかった何百ものキツネたちであり、彼らの頭蓋骨が研究されました。

その結果、都会に住んでいるキツネたちは、農村部のキツネたちに比べて脳のサイズが小さくなっており、鼻の形も異なっていました。

頭蓋骨の形の変化。(左)都会のキツネ(右)農村部のキツネ/Credit:K. J. Parsons

こうした変化は筋肉付着部位に関連していたため、生息地による摂食または認知の生体力学的要求の違いによって引き起こされた可能性があります。

都会のキツネは獲物を捕まえるために精神的な俊敏性を必要としませんし、短くなった鼻は、郊外の残り物を食べるのに便利なのでしょう。

Credit:BBC

パーソンズ氏は、都会のキツネに起きた変化が、犬や猫の家畜化のプロセスに光をさすものだと考えています。

犬猫家畜化の初期段階で発生したかもしれない環境の変化のいくつかは、おそらく都市のキツネが今日生きている条件と似ているのです。

つまり、人間の周囲(都会)での生活に適応することは、家畜化の準備となるのです。

しかし、研究チームは、現段階でロンドンのキツネに変化があったとはいえ、犬や猫などの家畜とは程遠い状態であることも強調しています。

今後、都会のキツネと人間の関係がどうなるのかは分かりません。

それでも、キツネがペットになることを望んでいる人は多いかもしれませんね。

この研究は6月3日、「The Royal Society」に掲載されました。

Skull morphology diverges between urban and rural populations of red foxes mirroring patterns of domestication and macroevolution
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2020.0763

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reference: bbc / written by ナゾロジー編集部
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