- 体温を下げるクーラー遺伝子はカプサイシンでスイッチが入る
- クーラー遺伝子が壊れていると、高温条件でも体から放熱できない
- 暑い時に辛いものを食べると良いのは本当だった
暑い時に辛いものを食べると不思議と涼しくなる…
そんな古くから伝わる経験的記憶を、科学的に証明する一連の研究が日本の大学で行われました。
研究の鍵となったのは、トウガラシの主成分であるカプサイシンです。
生き物はカプサイシンを摂取すると、体温が変わらなくても体は暑さを感じ取り、大量の発汗を促して放熱しようとします。
そのメカニズムはわかっていませんでしたが、今回、日本の研究者がその仕組みを調査し、ついにカプサイシンに反応して体の暑さを緩和するTRPV1という「クーラー遺伝子」を発見しました。
このクーラー遺伝子はカプサイシンが体に入るとスイッチがオンになり、体に放熱を促すように働くのです。
また研究では、クーラー遺伝子を破壊された変異マウスは、暑い環境でも体温を放熱できなくなっており、カプサイシンにも反応しなくなることが確認されました。
クーラー遺伝子の欠損は暑さオンチになる
今回の研究では、クーラー遺伝子(TRPV1)が壊れている場合、体が暑さを感じられなくなることがわかりました。
上の図では、健康なマウスは高温条件(32.5℃)になると熱を発散して体温を下げる一方で、クーラー遺伝子が欠損しているマウスは、周囲の温度にあわせて自分の体温も上がってしまう様子を表しています。
このことからクーラー遺伝子には暑さを調節する機能があることがわかりました。
次は、クーラー遺伝子とカプサイシンの関係を、行われた実験をもとに紹介します。