ハトは地球上の様々な環境に適応して、最も繁栄している鳥類のひとつです。
私たち日本人に馴染み深いカワラバトも、1500年前に日本に渡来した外来種でありながら、都市生活に順応し、近づいても逃げない鳥……として、極めて高い順応性を発揮しています。
今回は、そんなハトのなかから選りすぐりの美しさと奇抜さをもった種を御紹介したいと思います。
読み終わることには、きっとあなたもハト愛好家になっているハズです!
それでは、めくるめく、魅惑的なハトをみていきましょう!
1:南国ではハトもカラフル(学名:Treron vernans)
どうやら南国では、ハトもカラフルになるようです。
ピンク・ネック・グリーン・ピジョン(ピンクの首の緑のハト)と呼ばれるカラフルなハトは、東南アジアに広く生息している中型のハトです。
カラフルになってしまった理由ですが……最も支持されている説としては、ジャングルの恵まれた環境のせいだと言われています。
ジャングルには食べ物となる果実(特にイチジク)が豊富に存在する上に、分厚い木の枝の層が捕食者から姿を隠してくれます。
そのためエサも天敵も気にする必要がなくなった鳥たちは、メスに対するアピールに全力を注ぐことが可能となり、結果としてアピール能力に優れたカラフルな体を手に入れたのだとか。
さらに、ピンク・ネック・グリーン・ピジョンはより交尾の機会を増やすために、特定の繁殖期をなくして、一年中繁殖が可能になるように進化しました。
繁殖期を無くすというのは、恵まれた環境にいる種だけに許された特権でもあったのです。
南国が鳥たちの楽園である……という話も、まんざら嘘ではなさそうです。