今夜は「ストロベリームーン」と半影月食が見られる特別な日!(6月6日早朝) ほんとうに月が赤くなるのか簡単解説

science_technology 2020/06/05
ストロベリームーンにちなんだイメージ画像。実際に月がピンクになるわけではないので注意。/Creditdepositphotos:

今夜、6月5日は満月の夜です。

アメリカ先住民の暦では、満月に名前をつけて季節を象徴していました。その習慣にちなんで呼ぶと、6月の満月の名は、ストロベリームーンです。

なんともスイーツな感じの素敵な月ですね。

そして、明け方には空模様が良ければ半影月食という珍しい天体現象も観測できるそうです。

今年はお花見できなかった、という人も多いでしょうから、せっかく天気もいいのですし、お月見を楽しむというのもアリなのではないでしょうか。

ストロベリームーンってピンク色になるの?

先に言っておくと”なりません”

じゃあ、トップ画像ウソじゃん! と思った人もいるかも知れませんが、ウソです。

ストロベリームーンとは、アメリカの古い農事暦で使われていた、いわば暦上の呼び名です。

アメリカ農事暦。/Credit:Colleen Quinnell, The Old Farmer’s Almanac

農事歴は、農作物の刈り入れの時期などを象徴して作られている暦で、古い時代に使われていたものです。

アメリカの農事暦はアメリカ先住民が満月に付けていた名前が由来となっています。

1月: Wolf Moon(ウルフムーン:狼が空腹で遠吠えをする季節)
2月: Snow Moon(雪が降り積もり狩猟が難しくなる季節)
3月: Worm Moon(みみずが土から顔を出す季節)
4月: Pink Moon(ピンクの花が咲く季節)
5月: Flower Moon(花が咲く季節)
6月: Strawberry Moon(イチゴが熟す季節)
7月: Buck Moon(雄ジカの枝角が伸びきる季節)
8月: Sturgeon Moon(チョウザメが成熟し漁を始める季節)
9月: Corn Moon(とうもろこしを収穫する季節)
10月: Hunter’s Moon(狩猟を始める季節)
11月: Beaver Moon(毛皮にするビーバーを捕獲する罠を仕掛ける季節)
12月: Cold Moon(冬の寒さが強まり、夜が長くなる季節)

アメリカ先住民とはつまりインディアンのことなので、狼や鹿をピックアップしている辺りにはらしさを感じますね。

さて、そういうわけなので、ストロベリームーンは単にイチゴが熟す季節という意味で付けられた名前です。

満月がピンク色に染まるという意味で言ってるわけではありません

また4月にピンクムーンもありますが、これも4月に咲き始めるシバサクラなどピンクの花を象徴している名前で、やはりピンク色の満月になるわけではありません。

騙された! と思うかもしれませんが、そこは遠いアメリカ大陸の先住民の気持ちになって満月を楽しみましょう。

でも、少しは赤っぽくなります

月は高度が低い位置に現れると夕日や朝日同様に、赤みがかって見えます。

これは大気中の粒子で波長の短い光が散乱してしまうためです。

青い光は波長が短いので、大気中で散乱します。空が青く光って見えるのは、青い光だけ大気中の粒子に散乱されて地上に降り注ぐためです。

太陽光が直接差し込んでくる方向以外は、散乱した光しか見ることができません。そのため、よく見ると空は太陽と逆方向に行くほど、青色が濃くなって、太陽に近い空ほど白っぽくなっています。

そんなわけで、太陽の光は大気中を長い距離進むほど、青色が散乱して消えてしまい赤色だけになるのです。

つまり、夕方など太陽が地表に近づくと、差し込む光が大気中を進む距離は長くなるので、赤くなります。

Credit:Hexadrive

6月は夏至の時期で、月が非常に地表に近づく季節なので、満月も通常より赤みがかって見えます。

しかし、別にこれは6月に限った話ではなく、月が地表に近ければいつでも見られる現象です。特にストロベリームーンとは関連がありません。

じゃあ、今夜の月って結局いつもの満月なの?

実はちょっと特別な月が見られます。それが半影月食です。

半影月食とは、月が地球の半影にだけを通る現象です。半影というのは、地球の完全な影ではなく、その周りにできるうっすら暗い領域のことです。

Credit:国立天文台

月が地球の本影に入る、いわゆる皆既月食では徐々に端が欠けたていき、最後は赤銅色と表現されるような暗い赤色全体が変わります。

真っ黒になって見えなくなるわけではない理由は、先程説明した、地球の大気中を抜けてきた赤い太陽光が月を照らすためです。

Credit:国立天文台

では、半影に月が入るとどうなるのでしょう?

わくわく。

なんと、月がうっすら暗くなって、うっすら端が欠けるのです。

望遠鏡や、望遠レンズを付けたカメラなどで撮影すると、その違いはわかりやすくなり、半影月食がはっきりと観測できるそうです

半影月食は数十年に1度しか起きないような非常に珍しい天体現象ですが、今年はなんと3回も観測できるチャンスがあります。

そんな人がいるのかどうかわかりませんが、半影月食ファンにとっては、プレミアムイヤーです。

今回、6月6日はその2回目になります。ヤバいですね!

なお、半影月食は、国立天文台のサイトでは、6月6日の2時43分頃からはじまり、4時25分に最大となり、6時6分で終了となるそうです。

Credit:国立天文台

せっかくの金曜の夜ですし、ぜひ早起きか夜更しをして、非常に珍しい半影月食をうっすらと楽しんで見ましょう。

星のソムリエ®が選ぶ、今月の星の見どころベスト3【2020年6月】

 

reference: 国立天文台/ written by KAIN
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