- 卵子には独自の好みがあり好みの精子を強く誘因する
- 卵子の好みの精子が愛する男性のものとは限らない
- 卵子の好みを解明できれば不妊治療に役立つ
卵子は”精子を選り好みしている”と最新の研究により明らかになりました。
しかも選り好みの基準は、女性の意思とは無関係に作用するようです。
受精の瞬間、人間の卵子は卵胞液を分泌し、その化学成分の濃度の差を目印に、精子を導くことが知られています。
ですが、卵胞液がただ精子を導くためだけに分泌されているのか、疑問に感じた研究者がいました。
ストックホルム大学のフィッツ・パトリック氏がその一人であり、受精において卵胞液は、精子を選択する役割があるのではないかと類推。またその選択は、女性が男性を「愛」しているほど優位に働くだろう、とロマンチックな予想も立てました。
しかし、実験結果は、予想とは異なるものになったとのこと。
卵子は「愛」の方向とは無関係に独自の判断基準を持ち、別の好みの精子をより強く、より早く導いていたのです。
卵子は好みの精子を強く早く引き付ける
科学実験で「愛」の力を証明すべく、パトリック氏は複数のカップルから卵胞液と精子を提供してもらいました。
そして卵胞液と精子を総当たりで組み合わせて卵子が卵胞液を通して、愛する相手の精子を他の精子よりも強く引き付けるかを調べました。
しかし結果は予想を裏切りました。
卵胞液は2人の関係とは無関係に、特定の精子をより強く(18~40%多く)吸引していたのです。
同じような結果は実験サンプル全体にみられたので、パトリック氏は、卵子の選択は女性の意志を反映せず、独自の好みがあると結論付けました。