イスラエル・Urban Aeronautics社は、開発中のエアタクシー「CityHawk」に水素燃料電池を搭載するため、米・HyPoint社と提携したことを発表しました。
CityHawkは、次世代の「空飛ぶクルマ」を目指し、2018年から開発が始まった「eVTOL(電動垂直離着陸機)」です。ヘリコプターのような外部の回転翼を持たず、より車に近い形をしています。
これで空を飛ぶというから驚きです。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場する「デロリアン」にまた一歩近づいた感じですね。
今回は、バッテリーの電力や寿命をさらに拡大させる目的で、水素燃料電池の利用が決定されました。
「ゼロ・エミッション」の空飛ぶクルマへ
水素燃料電池は、水素と酸素を反応させて電気を発生させ、それを電力としてバッテリーに貯めておきます。いわば、機体の中にミニ発電所を持つのと同じです。
従来のリチウム電池と比べて、優れたエネルギー密度を誇り、長寿命かつ迅速な燃料補給ができます。また、排気ガスを一切出さないため、環境にも害がありません。
CityHawkは、外部プロペラを持たない代わりに、機体の前後に大きなファンを搭載しています。離着陸に必要なスペースは約3×8mで、狭い場所への着陸も可能です。
無人の飛行テストにはすでに成功しており、離着陸できる場所や騒音の面でヘリコプターを凌ぎます。
最高時速は270キロで、積載量は最大760キロ、非常用にパラシュートを装備。搭乗人数はパイロットを含め6名で、座席は可動式になっています。
実用化には、法的な認可やインフラの整備(離発着ターミナルなど)が必要ですが、それらがクリアできれば、本格的な実用化が始まるでしょう。
運用初期は用途が限定されますが、次第に地上を走るタクシーと同じように、目的地に合わせた運用が開始される予定です。
他に、企業向けのエアタクシーや緊急搬送用の航空機としての利用も計画されています。
同社CEOのRafi Yoeli氏は「こうした多様な用途に加え、水素燃料電池を用いることで100パーセント環境に優しい航空機となります。HyPoint社との協力は非常に喜ばしいことです」と話しました。
最初の有人飛行テストは、2021~2022年を予定しています。
こちらは、2018年に行われた無人での飛行テストの様子。
宇宙、素粒子、AI、遺伝子、歴史、心理学など、様々な角度から身近な「謎」を追求しています。
Nazologyについて
記事一覧へ