大活躍。今度は「油を食べるバクテリア」が登場、環境汚染を食い止めるか

technology 2018/04/18
Credit: Wikipedia / モンタラ原油流出事故の航空写真
Point
・油を食べるバクテリアがいる
・その修復効果が実際に測定された
・人が近づけない危険区域での除染効果が期待できる

 

一年に数回見る石油の流出事故。その石油による環境汚染が、バクテリアによって解決されるかもしれません。

先日、日本のゴミ処理場から見つかった酵素がペットボトルを分解できるという発見が報告されました。自然の力では難しいとされており、実用化されればペットボトルの完全リサイクルが可能となります。

そんな八面六臂の大活躍をみせるバクテリアさんですが、油を分解することができるバクテリアもいるようです。

Ex-situ biodegradation of petroleum hydrocarbons using Alcanivorax borkumensis enzymes
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1369703X18300159?via%3Dihub

ケベック大学州立科学研究所の研究が、海中のあるバクテリアから発生する酵素が、油の分解に有効であることを実証しました。この研究から、油汚染を効率的に、かつ環境に優しい方法で解決する解決策として期待できます。

この研究で用いられたバクテリアはアルカニヴォラックス属と呼ばれるバクテリアの一種で、海水中に生息しています。そのバクテリアはゲノムに多くの酵素コードをもち、油の主成分である炭化水素を自身のエネルギーに変えるものとして知られています。油の流出がある場所でよく発生し、油を分解するものとして考えられていました。今回の実験で初めてその効果を測定し、バクテリアが油分解に有効であることが実証されたのです。

Credit: isabelle.puaut on Visualhunt.com / CC BY-NC-ND

研究では、油汚染された土壌のサンプルに、精製した酵素を用いて実験を実施。研究チームのサティンダー・ブラ氏は、「使用した酵素は80%以上もの炭化水素を分解し、毒性の高いベンゼンやトルエン、キシレンに有効的であることを発見しました。汚染された土地や海洋環境を浄化する効果的な方法であることを示すために、現在も様々な環境下でテストを行っています」と述べています。

バクテリアを用いる方法は、人が近づけない危険区域での除染作業を行うという課題を解決する方法として実用化が望まれています。研究の次なる課題は、バクテリアが炭化水素を消化するメカニズムと、実際の除染効果の調査とのことです。

 

空気だけで生きる細菌が見つかる。地球外生命体の発見に新たな可能性

 

via:EurekAlert/ translated & text by Nazology staff

 

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