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電脳ウミウシを薬物依存にするシミュレーションで、生物が”クスリ漬け”になる過程が明らかに (2/5)

2021.01.27 Wednesday

2020.06.22 Monday

前ページ電子の世界で学習する仮想ウミウシ「アシモフ」

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気持ちよくなるクスリをみつけたアシモフ

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クスリの魅力にとりつかれたアシモフ君/Credit:イリノイ大学(文字はナゾロジー編集部記入)

アシモフの学習が終了するのを見計らって、研究者は「特殊なエサ」を仮想空間に投じました。

この特殊なエサは、全く栄養価がないものの、食べることで満腹時のような大きな快楽を得ることができるものです。

ですがこの快楽は長続きしません。

なぜならアシモフには本物の生物のように、心と体を一定の状態に保とうとする恒常性があるからです。

快楽を求める生物が自身の快楽を打ち消すというのは不条理にも思えますが、無意味な永遠の快楽は生物に死をもたらします。

そのため、アシモフが快楽を延長させるには、この特殊なエサ……すなわち中毒性のあるクスリを食べ続ける必要があります。

アシモフは仮想世界を彷徨いながら、クスリを探し求めるようになりました。

今やアシモフにとってクスリは何よりも重要になったために、たとえ目の前に美味しいエサがあっても食べなくなりました。

研究者はこの事実に驚くと共に興味を引かれました。

というのも、中毒性のあるクスリの使用と食欲の減退は、人間だけでなくあらゆる動物で起こる共通現象だからです。

シミュレーション内の生物であるアシモフにも実際の生物と同じような非自然的な現象が起きたのは、現実の多くの生命が非常に原始的で簡単な報酬系に支配されているとの研究者たちの仮説を支える事実だったからです。

次ページクスリを減らされたアシモフ

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