
- 電子のスピン状態をテレポーテーションすることに成功
- 光子が無くても量子テレポーテーションが可能だと実証された
昨年、科学者たちは離れた光子同士がコンピュータチップ上で情報送信できることを確認しました。これは量子テレポーテーションとして知られている作用です。
そして現在の新しい研究によると、光子に続き、電子間の量子テレポーテーションも可能かもしれません。
米国ロンチェスター大学の物理学部のジョン・ニコル助教ら研究チームは、電子のペアを分散させ、それらのスピン状態をテレポートさせることに成功したのです。
これは量子コンピュータを改善するための重要なステップとなるでしょう。
量子テレポーテーションとは
量子とは、物質を作る非常に小さな粒子のことです。
そして、この量子の中には、電流をつくる電子や光をつくる光子などの様々な種類があります。
さてこの量子たちは一般的に知られている物理現象とは異なった働きをします。
例えば、1つの光子を分裂させることで、2つで1セットの双子の光子を作り出せます。

この双子光子は離れていても「瞬時に量子状態が伝わる」という特性を有しており、この仕組みは量子テレポーテーションと呼ばれています。
量子テレポーテーションは実際の物質を瞬間移動させることはできませんが、量子の状態を瞬間移動させることができるのです。